スタンド総立ち！吉田正尚、9回裏・4点差で満塁…最高の場面で特大ファウル「ぐわあああああああ」グランドスラム未遂にファンもガックシ

【MLB】レッドソックス12－13オリオールズ（9月9日・日本時間10日／ボストン）

同点満塁弾──ファンは奇跡を確信した。レッドソックスの吉田正尚外野手が「5番・レフト」で出場した一戦、9回裏、4点を追いかける満塁の場面で登場した日本人に期待が集まる。そして、フェンウェイ・パーク名物グリーンモンスターを超えそうな一打が放たれた。その瞬間、観客は一斉に立ち上がってガッツポーズしたのだが……。

【映像】ファン総立ち！吉田正尚のグランドスラムを確信した瞬間

　レッドソックスが初回からターナーの2ラン本塁打で先制したことに始まり、両軍、まさに壮絶な打ち合いとなったこの試合。レッドソックスが4点ビハインドで迎えた9回裏の攻撃は先頭打者のバーデューゴはサードゴロに倒れたが、続くデバースがライトへのツーベースヒットで出塁。その後、ターナーが内野安打、カサスが四球で歩いて、1死満塁、ホームランが飛び出せば同点という場面で、5番・吉田に打席が回ってきた。

　この日の吉田は、第1打席で4試合ぶりとなるヒットをライト前に放つと、第2打席、第4打席も結果を残して3安打。自身12度目となる猛打賞と固め打ちを見せていた。それだけに、スタジアムの興奮は最高潮に達していた。

　この回からマウンドに上がったオリオールズのカノは、吉田に対して変化球を中心に投げ込んでいく。吉田はそれを慎重に見極め、ストライクゾーンに来た球はカットするなど自慢のバットコントロールを駆使していた。

　そしてカウント2－1からの4球目、吉田は真ん中高めのシンカーをミートした。その瞬間、バックネット裏で見守っていたファンはホームランを確信して立ち上がり、両手を突き上げる。吉田がフルスイングした打球はレフトスタンドへと一直線に伸びていき、そのまま同点グランドスラムか──。しかし、その夢は幻に終わった。

　打球は無情にもポールより左へと切れていき、ファウルスタンドへ。飛距離的には本塁打には十分だっただけに非常に惜しい当たりとなった。この一打にはファンも「うわぁ惜しい」「おしいいいい」「ぐわあああああああ」と残念がる人々が続出。一方で「藤浪の勝ちが消えるからファールでいい」というファンの声も挙がった。

　結局、吉田は5球目のチェンジアップを引っかけてピッチャーゴロ。ホームへ突っ込んできた三塁走者のバーデューゴはアウトになったものの、吉田は一塁セーフとなり、2死満塁で後続へと望みをつないだ。

　この後、レッドソックスは2者連続タイムリーで3点を奪って1点差まで詰め寄ったが最後はバルデスがレフトフライに打ち取られてゲームセット。怒涛の反撃は惜しくも勝利に届かなかった。

（ABEMA『SPORTSチャンネル』）