【キリンチャレンジカップ2023】日本代表4-2トルコ代表(日本時間9月12日/セゲカ・アレーナ)
圧巻のプレスだった。ベルギーで行われたトルコ代表との一戦では、今回、初の代表招集となったセレッソ大阪のDF毎熊晟矢が決定的な仕事をしてみせた。相手からボールを“強奪”して独走、アシストをマーク。そのプレーにはファンも「天才のそれ」と大興奮だ。
その場面は、2点リードしてなおも日本が試合を支配する36分のことだった。相手の横パスに対して激しく食いついた右サイドバックの毎熊は、ハーフウェーライン近辺の自陣でボール奪取に成功。そのまま敵陣のペナルティエリア内まで独走していった。
決定的ではありつつ、相手DF陣も簡単にマークを外さない。並のDFなら焦って雑にクロスを送ってしまいそうな場面だったが、ギリギリまでコースを探した。するとこの日トップ下で出場していた久保建英が全速力でニアに走りこみ、ファーで待ち構える中村敬斗へのコースが空いた。それを見逃さなかった毎熊は冷静に中村の足元にクロスを供給してゴールをお膳立てした。ボールを奪ってからわずか10秒の高速カウンターだった。
このゴールを受け、SNSでは「毎熊凄いな」「今オフには海外かな」「毎熊なら一番奥を見てそうと思ってたらやっぱり」「毎熊が天才のそれ」「毎熊専用カメラないのか?」「日本の右サイドは君の物や」などと大興奮。代表デビューしたばかりの25歳は、日本の2点目のシーンでも起点となるクロスを送るなど、早くも日本のファンの心をつかんだ。
この試合が行われた9月12日は、どんな因果か、代表の左サイドバックとして長らく存在感を示してきた長友佑都の37歳の誕生日だった。また、直近のワールドカップで右サイドバックのスタメンを務めた酒井宏樹は、今年の4月で33歳になった。
彼らが“代表引退”を宣言したわけではないが、年齢を考えれば、世代交代はいずれやってくる。ただ、心配は不要なようだ。長崎生まれの桜の戦士が、いきなり猛烈アピールに成功し、日本代表の最終ラインに新しい風を吹き込んでいるからだ。
(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)