<大相撲九月場所>◇七日目◇16日◇東京・両国国技館
前頭三枚目・正代(時津風)が、大関・貴景勝(常盤山)を押し出しで下した一番で、敗れた貴景勝の激しい相撲に実況席が注目する場面があった。
立ち合いから貴景勝は強烈な突き押しで攻めに出るも、決め手を欠く。状況を打開しようとしたのか、張り手を交える荒っぽい取り口を見せるも、逆に正代の心に火がついたようで、押し出された。これで2日目からの連勝が5で止まり、優勝争いの先頭から後退した。正代は3勝目をあげた。
この取組を受け、ABEMAで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「貴景勝は張って中に入らないんですよね。折角離れたのに張るだけで攻めてないんですよ。足も止まっている」と指摘。それから「だから正代に攻められるんですよ。ならばどうすれば良いかと言うとぶち当たって中に入っていかないと。または、下半身で下から攻めていくということですよ」と話した。
元NHKで長年相撲中継に携わってきた実況の藤井康生アナウンサーも「貴景勝は時々、張って墓穴を掘ってしまうんですよね」「ここまでで相撲の中身も良くなってきていたのに、ちょっと今日は雑な相撲でしたね」と残念そうに話し、花田氏は「そこなんですよ。正代は張り手されてもずっと正面で見ているでしょう」「最後、正代は張られて腹が立ったのか、押してましたね。そういう気持ちが現れていました」とまとめていた。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)