■「山地のメガソーラーは拒否するが、それ以外はしっかりやる」「日本全体で考える必要」

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 福島氏は8月31日に「福島市脱炭素社会実現実行計画」を改定し、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を30%から55%に引き上げたほか、2050年度に実質ゼロを目指す。また、住宅の高断熱化、ゴミの排出抑制推進、産業ヒートポンプ普及、次世代自動車普及などを取り組み強化項目としている。

 木幡市長は「山地のメガソーラーは拒否するが、それ以外はしっかりやるということを併せて表明している。できる限り有効活用するという意味では、街中での屋根置きの太陽光は当然進めるし、温泉熱を使った発電も取り組んでいきたい。今日本で一番問題なのは水害だが、国交省もハイブリッドダムといって、防災と発電をうまく組み合わせていこうという取り組みを始めている。いろいろ知恵を出して日本全体でやっていかなきゃいけないし、我々もまさに地域共生型の再生可能エネルギーを推進していきたいと思っている」と訴える。

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 福島県は、2040年に消費エネルギーに占める再生エネルギーの割合「100%」を目指しているが、メガソーラーなしでどう対処していくのか。「この100%には分母分子があるわけで、今我々が議論しているのは分子の世界。そもそも使う量(分母)を減らすことで、ゼロカーボンの世界を達成できる。その努力ももっとしていくべきだと思う」とした。

 周辺住民との合意形成について、錦澤氏は「環境影響の低減(デメリットの最小化)」と「地域便益の創出(メリットの最大化)」の2つをあげている。「環境影響がなるべく少ない立地を選ぶのも大事だが、今の枠組みにも課題がある。発電した電気は送電線に流して、別の所で使っているのが基本だが、地域にとってのメリットがほとんどなく、ある意味で環境影響だけ押し付けられている。なので、地域と共生するためにメリットをもたらすということ。例えば、災害時の電気を地域に優先的に供給するとか、電気価格を少し安くするとか、売電収入を一部還元して農林漁業の振興に使っていくとか、街づくりや環境教育に使っていく。そういったことを進めている自治体なんかもある」と説明した。

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 NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は「再生可能エネルギーが分散型の電源として、地産地消が可能だという前提はあると思う。一方で、その理想の状況を創り出していくためには、規制をある程度緩和して、幅広い事業者が参加できることが重要になってくるはずだ。その結果として、SNS上では中国のメガソーラーが問題になっているという話も一部ある。規制を緩和し過ぎると問題が生じる可能性もあるという、このバランスが非常に難しいと思う」と課題を示した。(『ABEMA Prime』より)

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