どれだけパンチをヒットさせても、どれだけ顔が腫れ上がっても、流血しながら追いかけてくるゾンビ・ファイターに対戦相手は困惑。「なんだこいつ、バケモノか？」「なぜ倒れないんだ？」と引き気味で自軍セコンドに時折り視線を向けるほどの異常な展開。あまりの壮絶さに実況アナも「もとの顔が思い出せない。顔が認識できない…」と言葉を失った。
9月22日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 34」。ペッチャーチャイ・ファイト・ギーク・ムエタイ（タイ） とウェイ・ズーチン（中国）の試合は、壮絶な打撃戦。判定でウェイが勝利を飾るも、出血し、顔面が変形してもなお、ゾンビのようにドンドン顔から前に出て来るペッチャーチャイに困惑しきりだった。
両者拳を振り回す激闘派同士の対決。序盤ウェイが、ヒザを連続で当て、左ストレートを叩き込んで早々にダウンを奪うが、ここからがホラー映画のような試合の始まりだった。
ABEMAのゲスト解説・志朗もダウン直後に「ペッチャーチャイはこれからです」とひと言。その言葉どおりダウン後の追撃で危険なシーンが続くも、それでも顔面でパンチを受けながらドンドン前に出てくる。ウェイもサンドバックを殴るかのように相手に打撃をヒットさせるが、手応えはありつつも、なぜか相手が前へ、前へ…。もはや“ゾンビ状態”に困った表情だ。
2ラウンド、追うペッチャーチャイは目尻をカットして血まみれ。不屈のゾンビにウェイは下がりながら応戦するが、相手はアンデッドのようにグイグイ前へ。余りの不死身ぶりにウェイはセコンドの方を見て不安そうな表情を浮かべる。
そんな様子に実況の小出アキラ・アナウンサーも「ウェイもどうしたらいんだ、という表情！」との指摘。ウェイは「こいつはバケモノか？」とビックリ顔で戦い続け、ラウンド終了時には自陣のセコンドに「なんなんだアイツは？」と不安げに目配せをした。
ウェイの的確なパンチを被弾し続けたペッチャーチャイの顔はみるみる大きく腫れ上がっていく。それでも前へ前へ出てくる激闘ぶりに志朗は「殴っても、前に出てくるから恐怖しかないでしょうね…痛覚がないというか」とウェイの気持ちを代弁。視聴者も「これは笑えない」「顔面が変形している」「ドクターは入らないの？」と騒然となった。
最終ラウンド、ウェイはヒット・アンド・アウェイで勝負したいが、ペッチャーチャイはフラフラになりながらも圧をかけ続ける。小出アナも「もうボッコンボッコンです、ペッチャーチャイの顔が思い出せない。顔が認識できない」と言葉を失うほどだ。
試合的にはウェイが蹴りパンチと手数を稼ぎ優位に試合を進めるが、最後まで折れない相手を倒しきることはできない。“レフェリー止めて”状態の展開に「ホラー映画みたいだ」「もう幻覚と戦っているような感覚だろう」とウェイに同情の声が上がり始める。「なぜ倒れないんだ？」とドン引き気味のウェイ。判定で勝利を掴むも、その表情は最後まで引きつったままだった。
