9月19日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズの一戦で、ロッテ・岩下大輝が投じた“魔球”と、それが呼び込んだ“奇跡のアウト”が野球ファンの間で話題となっている。
この試合、1-3、ロッテの2点ビハインドで迎えた8回裏から、ロッテの3番手としてマウンドに上った岩下は、この回先頭の5番・ゴンザレスを一塁ゴロに打ち取り、まず1死。続く6番・杉本裕太郎にはレフト前ヒットを打たれ、走者を出したものの、その後も落ち着いた投球で7番・紅林弘太郎を三塁フライへと打ち取り、2死に。
ここで打席に入ったのは、8番・大城滉二。岩下は、初球、やや外寄りのストレートでカウント0-1に。そして2球目、岩下が投じた“ハズ”なのは、フォーク。しかしこの一球、指にかかったのか、左打席側へと大きく逸れながらホームベースのはるか手前でバウンド。通常ならば、そのまま捕手の佐藤都志也も捕れずに、暴投となるケースだが、この一球、バウンドを正確に読んでいたのか、はたまた、単に幸運だったのか、捕球のために慌てて体勢を変えた佐藤の構えたミットにボールがそのまま収まるという珍しい形に。しかもその際、佐藤は一塁走者の代走・小田裕也が飛び出していたことを見逃さずに、一塁へとすかさず送球。飛び出した小田は戻り切れずに、佐藤の強肩に刺されることとなってしまった。
走者を背負った場面で、自身の投球が、あわや暴投、さらには得点圏に走者を…という場面になりそうな状況となりながらも、暴投にならなかったばかりか、結果としては一塁走者・小田を誘い出す“トリックプレー”であったかのような形となった当の岩下は、笑顔で引き上げていく佐藤をよそに、一瞬、狐に摘まれたかのように当惑した表情を見せ、さらにはアウトカウントも一瞬“飛んで”しまったのか、次の投球に入るためにボールを要求するなど、“魔球”の当事者でありながらも、終始、半信半疑といった様子を見せることとなった。
なお、こうした岩下の“魔球”を巡るひと幕に、ネット上の野球ファンからは「幻惑投法の最たる例すぎて、好き」「海堂戦で茂野がやってた」「オリファンやけど 取りやすくて、投げやすい最高のワンバン送球(投球)やな」「暴投阻止→一塁牽制アウトなので結果オーライ!岩下、ナイスピッ珍グ!」「状況が飲み込めずに「ボールくれる?・・・あ、チェンジか・・・」みたいになってるの、笑っちゃいけないけど笑ってしまう」「全員苦笑いのプレー」といった様々な反響が寄せられている