「消防署が女性へのAED使用に配慮を求めた」という誤った投稿がSNSで拡散されるなか、「誤りだ」と検証したファクトチェックが注目を集めている。日本ファクトチェックセンター(JFC)の編集長で株式会社「メディアコラボ」の代表、古田大輔氏にファクトチェックの重要性や選定基準、陰謀論に対するアプローチについて聞いた。
ネット上にはデマや間違った情報が数多く存在し、どれを検証対象とするかの判断は難しい。古田氏は選定基準として「広さ・深さ・近さ」という3つのポイントを挙げた。
「広さは影響する人口・範囲の広さ、深さは深刻さ、近さは対象となる情報の身近さを意味している。また、意見と事実の区別が重要であり、例えば『ワクチンを打ちたくない』というのは、その人の自由。ただし、『ワクチンは毒だから打ちたくない』という主張に対しては、『ワクチンは毒ではない』と、意見と事実を切り分けて検証しなければならない。」
また、検証できる情報とできない情報があると話す古田氏。「アメリカ政府は地球外生命体と交信している」のような荒唐無稽な情報は、検証可能な客観的なデータ存在しないので難しいと述べている。
そして、気になるのが「陰謀論を信じている人にファクトチェックが届くのか」ということ。
「とんでもない“陰謀論”でも信じる人はいる。ただ、ほかの人から見たら『そんなわけない』と思うような情報を“自分自身”も信じているかもしれない。常にそれを心がけておく必要はある。ある情報を強固に信じている人にはファクトチェックが届かない場合もあるが、“なんとなく信じている人”やどちらでもない中間層に対してはとても効果がある。届かない層に関してはむしろ『メディアリテラシー』や『コミュニケーション』の問題になっていくのではないかと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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