「こんな殴り方あり?」ファンが思わず困惑するMMA対ムエタイの“パンチのみ”の変則ルールマッチ。次第に膨れ上がる美女ファイターの額の大きなコブが痛々しく「顔ぼこぼこじゃん」など驚きの声が寄せられた。
9月30日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE Fights Night 14」。ション・ジンナン(中国)と“ワンダーガール”ナット・ジャルーンサック(タイ)の試合3ラウンド終了間際、ジンナンがパンチの連打でワンダーガールからTKO勝利を収めた。MMAとムエタイ選手が争うパンチのみの新ルールにファンが大いに盛り上がった。
MMA選手のジンナンとムエタイ・キックのワンダーガールによる「パンチ以外の攻撃は禁止」の打撃特別ルール。MMA寝技なしのジンナンと、ヒジも蹴りも使えないムエタイのエリート・ワンダーガール。互いに持ち味を封印しての試合は衝撃の展開となった。
オープンフィンガーグローブによる殴り合いのみの戦いは手探りの展開。足を使いながら左右のパンチを強振するワンダーガールに対し、低い姿勢で大振りのフックを繰り出していくジンナン。噛み合うようで噛み合わない攻防により、ジンナンの振り下ろしのオーバーフックが、ワンダーガールの後頭部を捉えて試合が中断する一幕も。
その後はパンチをコンパクトに当てるワンダーガールに対し、ジンナンは超低空のフック。異なるタイプのパンチが交差する至近距離でのバチバチの殴り合い。異質の打撃戦にABEMA視聴者から「こんな殴り方ありなんか」など驚きの声も聞かれたが、世界初のルールだけに全てが未知数だ。
2ラウンドも、ジンナンはほぼノールックで左右の拳をフルスイング。ワンダーガールのボクシングテクニックが勝るも、徐々に近い距離でジンナンの重いパンチが当たりはじめる。
新ルールの混乱に会場も不思議な反応を示す。ジンナンの振りかぶりのパンチが再三ワンダーガールの後頭部を捉えると、ワンダーガールのレフェリーへのアピールに「何度も自分からアピールするな」とばかりにブーイングが響く場面も。
3ラウンド、もはやジンナンの変則攻撃は全て有効打に。ゲスト解説の藤野恵実は「ジンナンの頭の位置がずっと変わるから当て難い」とこの戦術について指摘。その言葉どおりワンダーガールは的が絞れず、パンチが空を切る場面が目立ちはじめる。
すると残り30秒、振り下ろしの鉄槌に近いジンナンのパンチと、ボディへの連打に徐々に心身を削られたワンダーガールが、ついに心折れてレフェリーが試合をストップ。MMA対ムエタイの“パンチのみ”の変則ルールは終わってみるとMMAの勝利。ジンナンのノールックパンチ作戦が功を奏した形となった。
試合終了直後、放送席が「顔腫れてますね…おでことか」と驚いたように話すとファンからも「こんな殴り方あり?」「顔ぼこぼこじゃん」などの声が。額のぷっくり腫れ上がった大きなコブが激闘を物語っていた。