【映像】なが~~~い!新幹線1車両分のダブル連結トラック(横から)
ドライバーの労働時間に上限が定められることで働く時間が短くなり、モノが運べず、人手不足になると懸念されているのだ。2030年には日本全国で約35%の荷物が運べなくなるというデータもあり、対応が急がれている。
各社が技術開発を進めるなか、注目されているのが「ダブル連結トラック」だ。全長は25メートルと、新幹線の1車両分に相当する。ドライバー1人で、運送効率が2倍となるため、台数は年々伸びてきているという。
とはいえ運転は難しくないのか。ダブル連結トラックを9台所有する物流センター「NEXT Logistics Japan相模原センター」を訪れると、兵庫・西宮からのダブル連結トラックが、神奈川・相模原まで約500km走って帰ってきた。乗り心地はどうか。
意外に小回りは利きますよ。大型の十輪より、ちょっと前に出て(ハンドルを)回すくらい。(大型トレーラーと比べて)タイヤ2本分くらい内側に入ってくる。でも怖い。くねっちゃうと後ろ見えない」(ダブル連結トラックドライバー・鈴木松雄さん)
やはり通常のトラックより集中力が必要だという。とくに怖いのは左折だ。
「左折は今までにないぐらい大集中ですね。信号を手前から、同じ方向に行く人がいないか見て、左折先が本当にできるかどうかを判断しなきゃいけない。場所によっては、『もうやめようかな』とパスする」
左折時よりも厄介なのがバック時で「真ん中で角度をつけたりすると、もう訳がわからなくなる。たぶん、ついてきているだろうなと」。実際、運転できるドライバーは少なく、大型トレーラーを運転できる「けん引免許」所有者で、さらにこの会社では2カ月以上の研修が必要となる。また、国土交通省によって「運転できる道路」が決まっていて、どこでも自由に走ることはできない。そして、さらなる問題は「駐車場」だ。
「夜はよほど運が良くないと止められない。どうしてもどこかに止まろうと思うと、サービスエリアとかパーキングエリアの場外しかない」「みんな入り組んで止めちゃって、そこ(専用の駐車場)に行き着けない。行っても今度は出られない。もし前に止められたら出られなくなると思うと心配で、休憩どころじゃないですよ」
このセンターを運営するNEXT Logistics Japanの片平英司取締役が、物流の現状を語る。
「トラック輸送は6割が空気を運んでいる。空で走っているものも事実としてあるということです。片道が満載でも、帰り荷とかタイミングが合わないとかで積載率が低い状態で走っているというのが往々にしてある。平均積載率は40%ぐらい。そういった無駄をなくすように、より1人のドライバーで、たくさん運べるような仕組みを作っていきたい」(片平取締役)
対応が迫られる「2024年問題」。国際政治学者の舛添要一氏は、積載率を100%に近づけるためには、「全体的なシステムを発達させるしかない」と指摘する。加えて、トラックだけでなく、「できれば鉄道も利用する。空いている新幹線を使ってもらうという話もある。鉄路のほうがはるかに効率いい」と提案した。
千原ジュニアは、再配達などで負担が増している物流関係者を「ホンマ大変」とねぎらう。そこへ映画評論家の有村昆が、翌日配達ではなくて、「遅くても大丈夫だよ」という選択肢があってもいいと語る。
「置き配も『居なかったら、また来ます』は二度手間になる。僕ら側も変わっていかないといけない」(有村昆)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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