進化し続けるAIは、今や実在する人物そのままに会話できるアバターも作れるという。そこで、今回はニュース番組『ABEMAヒルズ』の徳永アナウンサーのAIアバターを作ってみた。
実在する人物をもとにAIが作れるというサービス。本人の顔写真と声のデータが数十秒あれば生成できてしまうという。開発したのは、X(旧Twitter)で最新のAI情報を発信している起業家のチャエン氏だ。
「徳永アナウンサー、東京都立大学・法学部准教授で政治学者の佐藤信氏のAIアバターを作り、彼ら彼女らの声で会話ができるサービスを作ったのでお見せしたい。AIが話せる言語は日本語に限らず、20言語ぐらいはいけると思う」(チャエン氏、以下同)
このAIはそもそも、チャエン氏が立ち上げた「AI会話」という、AIのアバターが講師となり実践的な英会話を学べるというサービスがもとになっている。お互いの会話が日本語と英語で瞬時に文字にもなり、リアルタイムで添削もしてくれる。オーストラリアやインド、イギリスなど、さまざまな国籍の講師がいて、地域による英語の発音の違いにも対応しているそうだ。
「英語圏によって英語のアクセントが全然違うので、よく仕事で話す相手の国籍を選んで話すこともできる」
このAI講師を生成する技術で作った、徳永アナのリアルAIと会話してみる。
徳永AI:こんにちは!お会いできて嬉しいです。どんなお話をしましょうか?
まるで本物の徳永アナが話しているかのようだが、徳永アナの音声を録音したものではない。わずかな声のデータをもとに徳永AIが生成し喋っているのだ。
チャエン氏:最近のAIの発展について議論したいです。どのようにお考えでしょうか?
徳永AI:AIの発展は驚くべきものですね。さまざまな分野で活躍し、私たちの生活にも大きな影響を与えています。ただし、倫理的な問題や課題もあります。バランスを取りながら進化していく必要があると思います。
続いて、佐藤信氏のAIアバターに「佐藤氏自身について教えて欲しい」と質問を投げかけてみる。
佐藤AI:こんにちは!お久しぶりですね。しばらくお会いしていなかったので、少し驚きました。さて、佐藤さんについて教えて差し上げますね。佐藤さんは架空の日本の政治学者で、私がその役割を担当しています。日本政治学や日本政治外交史を専門としており、東京都立大学で準教授を務めています。朝日新聞のパブリックエディターも務めています。是非、何か質問があればお聞きください。
表現に若干の違和感は残るものの、きちんと自己紹介できた。このAIは日本語以外も話せるとのことで質問してみた。
チャエン氏:Please answer in English. I want to speak English with you, OK?
(英語で答えてください。あなたと英語で話したいです、いいですか?)
佐藤AI:Of course, I apologize for the misunderstanding. Let’s continue the conversation in English. How can I assist you today?」
(もちろんです。勘違いしてごめんなさい。英語で会話を続けましょう。今日はどのようにお手伝いさせていただけますか?)
英語も話せてしまうリアルAIアバター。話した言葉を日本語、英語で翻訳し、「この表現はやめた方がいいですよ」などリアルタイムで添削可能だという。
今後はどのような可能性を持っているのだろうか。
「芸能人のAI化は絶対増えてくると思っていて、特にアイドルはすごく需要があると思う。教育系だと、歴史に詳しいAIを作ってひたすら話したりもできる。ビジネスシーンでは営業マンもAIで、商品知識にめちゃくちゃ詳しくなって活躍できそう。(AIは)これからもまだまだ進化していくと思う」
芸能人の声を再現する技術はどのように進化していくのだろうか。
「言語の次はファンとのコミュニケーションだと思っている。芸能人の方の声、がんばれば画像も動かせるので、芸能人の方のOKがあれば、推し活の最終形態というかずっと推しと話せるような世界も作れると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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