【MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023】日本代表 ４－１ カナダ代表（10月13日／デンカビッグスワンスタジアム）
ゴールを決めたわけではない。しかし、日本代表がカナダ代表に快勝した一戦で、CFでスタメンを張った浅野拓磨の貢献は絶対的に不可欠だった。
78秒で決まった田中碧の先制ゴールは、そもそも浅野が放ったシュートのこぼれ球から生まれた。39分の２点目は、下がりながらポストプレーを成功させ、そのまま左サイドに抜け出してグランダーのクロス。そのボールが相手のオウンゴールを誘発した。
そして、まさに真骨頂が出たのが42分の３点目だ。自身が胸で落としたボールが繋がらずカナダに渡ると、素早いトランジションから驚愕の「爆速プレス」を発動。まずはカマル・ミラー、次いでアリスター・ジョンストンにプレッシャーをかけてボール奪取に成功すると、そのまま縦に抜け出して相手DFのチャージに耐え、最後はペナルティーエリア内で中村敬斗にラストパス。独力で生み出した見事なアシストだった。
モダンフットボールではピッチに立つ全員に大きな守備貢献を求めるが、あれほどの傑出したスピードで、二度追い・三度追いのプレスができるCFは世界を見渡しても数が限られる。日本代表では浅野、そして前田大然（今シリーズは怪我で招集辞退）だけだろう。
ABEMA視聴者からも、「浅野えぐい」、「浅野神」、「浅野のゴールみたいなもん」、「今日の浅野ええわー」、「今のはすごいわ」、「主役は浅野」、「覚醒や」など感嘆のコメントが溢れた。
こうしたゴールシーン以外でもこの日の浅野は、プレッシング、ポストプレー、オフ・ザ・ボールの動きによるスペース作り、そして囮の動きなど地味ながら仲間を助ける質の高い動きを随所で披露。72分に古橋亨梧と交代するまで、チームを攻守で支え続けた。「全員守備・全員攻撃」を掲げる森保一監督が、怪我さえない限りこのスピードスターを常に招集し続ける最大の理由は、身を粉にして働くこの献身性にこそあるはずだ。
カナダ戦のスポットライトを浴びたのはスコアラーの田中や中村、PKをストップした大迫敬介などだが、浅野の献身性が森保ジャパンにどんなプラスアルファをもたらすのかが改めて証明された試合でもあった。
（ABEMA／MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023）
