長谷川ミラ「“ケンカを売っているんだな”と」 稲田朋美「他国がとやかく言うのは違う」 政治家が靖国参拝する意義
【映像】稲田議員に長谷川ミラ「わざとケンカ売ってるのかなと」
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 17日から3日間の日程で行われた、靖国神社の秋の例大祭。西村経産大臣、新藤経済再生担当大臣、高市経済安保担当大臣や、超党派議連の96人は集団で参拝。岸田総理は「真榊」と呼ばれる供物を私費で奉納し、参拝は見送った。

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 問題とされているのが、第二次世界大戦で戦争犯罪人とされたA級戦犯が一緒に祀られていること。閣僚らの参拝に中国や韓国が抗議の声をあげており、今回も中国外務省は「軍国主義の象徴」、韓国外務省は「深い失望」と非難した。SNSでは、過去の戦争を反省しないのは問題との声がある一方、参拝を肯定する意見も根強くある。

 靖国神社参拝はなぜいつも論争になるのか。本当に戦争賛美なのか。「伝統と創造の会」で毎年2回参拝している、自民党幹事長代理の稲田朋美衆議院議員を交え議論した。

■稲田議員に長谷川ミラ「政治家が行くと“ケンカを売っているんだな”と」

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 4月28日(主権回復の日)と8月15日(終戦の日)に、参拝に行っている稲田議員。「どんな歴史観に立とうとも、自国のため、自分の愛するものを守るために命をかけた先人たちの積み重ねの上に今の日本があるという思いだ」と説明。中国・韓国からの批判について、「かつては大騒ぎだったが、だんだんそうでもなくなってきていると思う。その国ごとの祀り方があり、他国がとやかく言うのは違うのではないか」と反論する。

 政治家による靖国神社参拝の問題点を指摘している作家・宗教学者の島田裕巳氏は、150年にわたる靖国神社の歴史に触れた上で、「A級戦犯の合祀という話がすぐに出てくるが、実は合祀当初の段階では、日本人も関心を持たなかったし、諸外国からの批判もなかった。靖国神社は戦後、民間の宗教法人になり、他国がとやかく言う状況にはなかったからだ。しかし、1985年に中曽根元総理が公式参拝として実行してから、A級戦犯を合祀しているということで問題になったのが大きな転換点。日本を批判する武器を諸外国に与えてしまった」と述べる。

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 A級戦犯は戦争の計画や準備、開戦に加担したなど「平和に対する罪」、B級戦犯は敵兵や敵国民への虐待や大量殺人など「戦争犯罪」、C級戦犯は現地住民への人権侵害や捕虜の虐待など「人道に対する罪」となっている。

 稲田議員は「平和に対する罪を犯したということで処刑されたのが、A級戦犯。清瀬弁護人が東京裁判所の管轄権に対する動議を出したように、当時、指導者個人の責任を問う国際法はなかった。事後法で裁いたわけだが、証拠の採用なども本当に不公平なやり方だった。私たちは戦争に負けたからということで受け入れたが、そういう裁判だったということは抑えておかないといけない」とした。

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 モデル・ラジオナビゲーターの長谷川ミラは「政治家の皆さんは靖国神社の立場をわかった上で参拝に行っているのだから、“ケンカを売っているんだな”と。子どもの時から、ニュースを見る度にそう思ってしまうのは必然ではないか」「政治家が個人として行動しても、日本全体がそういう国だと見られてしまう。そういう意味で、“個人の考え”で済むかというとすんなり入ってこない」と投げかける。

 稲田議員は「私も防衛大臣の時は8月15日の参拝を避けた。日本の平和を考えた時に、その行為がどういう影響を与えるのか。岸田総理も真榊は奉納したが参拝しないという選択をしたし、安倍元総理も1回行った以外は躊躇した。それは当然だと思う。その時々の情勢があり、自分の国を守るということは一番に考えなければいけない」と述べた。

■分祀は「靖国神社の姿勢が変わらない限りできない」

 A級戦犯を祀る場所を移す「分祀」はできないのか。島田氏は「靖国神社は一民間なので、“自分たちがどういう神を祀るか”はその権限で行われる。また政教分離の原則があり、政府が何かを言うことはできない。靖国神社は“1回合祀したものを分けることはできない”と主張しているので、その姿勢が変わらない限りできない」と話す。

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 日本国憲法第20条第1項では信教の自由が保障されている一方で、第3項では“国及びその機関は宗教的活動をしてはならない”と明記されている。「政治家が特定の神社に行くのは第3項に反するのではないか」という声もある。

 稲田議員は「政治家が靖国神社に行く場合、応援するとか、神道を盛り立てるということが目的ではない。国難に殉じた方々を追悼、慰霊できない国はどうなのか。忘恩の徒にはなりたくないという思いだ。何か利益や特権を与えるものではないと理解している」と説明。

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 島田氏は「靖国の問題は非常に複雑。単体の問題というよりも、宗教法人や神社のあり方まで掘り下げて考えるべき時期に来ているのではないか」との見方を示した。

「神道を宗教として捉えていいのかという議論がある。少なくとも戦前は、宗教にあらずということでその枠から外されていた。靖国神社も戦後、国が管理する施設から変わったわけだが、そういう時代を経ていることが、どうしても靖国神社の今の性格に関わってくる。政治と宗教を分けることの難しさが露呈している場所だと思う」

(『ABEMA Prime』より)

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