失神して後方に倒れ込む選手を見るや否や、危険を察知したレフェリーが慌てて駆け寄り、抱きかかえるように選手の頭を守る“神対応"。咄嗟の行動に解説を務めた現役ファイターが「選手にとってダメージは一生もの」とレフェリーの行動に対して最大限の賛辞を送った。
10月20日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 37 」。ラムナムコン・BS・ムエタイ（ラオス）とサムオイノーイ・トー・プースワン（ミャンマー）の試合は1ラウンド、2つのダウンを奪ったラムナムコンが快勝。衝撃のKOシーンもさることながら、それ以上に注目を集めたのは、失神して頭から落下する選手を反射的に守ったレフェリーの状況判断だった。
22歳のラムナムコン、23歳のサムオイノーイ、ともにONE初参戦同士の若きムエタイファイターの一戦。
試合が動いたのは1ラウンド残り50秒。ラムナムコンが鞭のような左フックを放つと、これが効いてサムオイノーイがロープまで後退。なんとかダウンは免れるが、ダメージが残りスタンディングダウンを取られる。
なんとかファイティングポーズをとったサムオイノーイだが、その後もラムナムコンの強烈な左フックの追撃2発を貰いマットに崩れ落ちた。ラムナムコンのKO劇のインパクトもさることながら、それ以上に放送席が称賛したのは、失神してコントロールを失ったサムオイノーイへのレフェリーの反射的な神対応だ。
殴られた瞬間本能で暴れながらマット目掛けて落ちるサムオイノーイの頭を、試合を裁いていたバチェルド・レフェリーが素早く滑り込んでキャッチ。選手のセカンドダメージを未然に防いで見せた。
このシーンに視聴者も「レフェリーすげえ」「ダイビングキャッチした」「ONEのジャッチよく見てるな」「こんなレフェリー見たこと無い」と献身的なレフェリーの行動に反応。
ABEMAゲスト解説で現役ファイターの雅駿介は「レフェリングが凄い大事です。失神して頭を打ちそうなところを滑り込んで頭を守ってた、そこに注目して欲しい」と強調。スローリプレイでもレフェリーが倒れる瞬間を予測して柔らかくキャッチするファインプレーに雅は「このキャッチ、選手ファースト素晴らしいです」と大絶賛すると続けて、「あそこで頭をマットに打つのと打たないのでは、ダメージは選手にとって一生ものなので、凄く大きなことだと思います」と強調していた。
何度も再生されるリプレイ映像でも滑り込むように頭をキャッチする反射神経に「野球選手みたいな見事なキャッチ」という声も。雅は「レフェリーにもボーナスを支給してほしいですね（笑）」と終始ベタ褒めだった。
