元ボクシング日本王者が戦慄の拳で期待の無敗王者を秒殺KO。アゴを捉えた左に首はぐにゃりと曲がり、前からマットに突き刺さるように失神。わずか47秒で2ダウンKOという驚きの結末にファンから「えぐ」「つよ」「まじか」「やべぇ」など、脊髄反射的なリアクションがずらりと並んだ。
10月21日に後楽園ホールで開催された「Krush.154」。Krushフライ級王者の大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス)に悠斗(HUNGRY GYM)が挑んだタイトルマッチは、衝撃の47秒の失神KO劇。30歳のオールドルーキー・悠斗が、18歳の若き“無敗王者”を完全KOし、参戦2戦目でKrushタイトルを獲得した。
対照的な両者の対戦。18歳の大鹿はK-1甲子園2022 -55kg王者、Krushと連勝を重ね、5月のトーナメントを制し無敗でKrush王者まで辿りついたいわば"K-1の申し子”的存在。対する悠斗は30歳、キックボクサーやムエタイを経てボクシングへ転校し日本王者に。再び2021年からキックに復帰し、7月にKrushに初参戦すると10秒でKOする衝撃デビューを飾った。
試合はまさにボクサーの恐ろしさを体現するような展開、結末だった。左右のローキックから入る大鹿に対し、早くも大きなモーションのパンチを見せる悠斗。大鹿がコンパクトなパンチの連打を見せると、悠斗は強い左フックから蹴りを見せながら、狙いすましたように速い右フックを振り抜いて開始30秒で最初のダウンを奪う。
フラッシュぎみのダウンですぐに大鹿は立ち上がったが、ABEMAゲスト解説・高橋直輝は「(大鹿選手は)パンチが見えてなかったですね」とひと言。
すぐに試合は再開されるが、悠斗は右を見せてから強烈な左フックをアゴへ一閃。大鹿の首がグニャリと曲がり、頭が一度前を向いてから意識を失いマットに前のめりに突き刺さるようにダウン。即レフェリーが試合を止めた。
前回の10秒に続き、王者を相手に47秒で2ダウンの衝撃的な失神KO劇。ファンからは「えぐ」「つよ」「まじか」「やべえ」と言葉短めのリアクション。さらに「ボクサーやばいなぁ」「この人は本物だ」「プロボクサーのパンチ凄いな」と驚きの声が相次いだ。
一方敗れた18歳、大鹿はキャリア初の敗戦。これまでが順風満帆だっただけに秒殺KOのショックは大きく涙のなか退場。それでも花道で深々と観客に頭を下げた。
勝利のマイクで「ずっとこのために生きてきました」と語った悠斗は「ボクシング、ムエタイ、Krush。3つを巻いたのは世界で僕だけだと思います。僕の今の夢は、KrushとK-1の両方を獲るのが僕の夢です。誰でも倒します。絶対面白い試合をします」と力強く宣言した。