ハマスは“テロリスト”ではない 「天国に行くしか望みがない」彼らを誰がここまで追い詰めたのか?社会学者が解説 
【映像】ハマス戦闘員による襲撃シーン(動画あり)  

 ハマスは、誰と、なぜ、戦っているのだろうか。
 
【映像】ハマス戦闘員による襲撃シーン(動画あり)
 
 イスラエルと衝突するイスラム主義組織「ハマス」は、1987年にガザ地区で生まれ、1990年代からイスラエル市民を狙った自爆テロを繰り返すようになった。
 
 イスラエルとパレスチナは1993年、イスラエルのラビン首相と、パレスチナのアラファト議長との間で交わされた「オスロ合意」によって、一時は歩み寄りの姿勢を示した。しかし、和平に反対するユダヤ教徒の青年がラビン首相を暗殺、その出来事をきっかけにオスロ合意は次第に破綻していく。
 
 そして2005年には、パレスチナに強硬姿勢を示していたイスラエル・シャロン首相の決断によって、ガザに駐留していたイスラエル軍が完全撤退。その代わりにイスラエルとパレスチナ自治区を隔てる「分離壁」が築かれた。高さ8メートルにも及ぶ巨大な壁により、ガザ地区は外界から孤立することになった。
 
 同志社大学大学院の内藤正典教授は、ハマスの行為は許されないものだとしつつも、俗に言う「テロ」とは違うと語る。
「(国連など)宗教色のない組織に頼んでも、何もならない、何も良くならない。最後は神頼み。『イスラムを掲げて敵と戦うんだ』と」と他のテロリストとの根本的な違いを口にする。
 
 そしてその思想の先に“死”があることについて、「イスラムを名乗って、イスラエルと戦って死ねば『殉教者』。天国へ行くしか望みがないまでに、誰が追い詰めたのか」とパレスチナの絶望的状況を説明する。
 
 さらに内藤教授は、分離壁が築かれたことによる影響をこう解説した。
「フェンスを張って封じ込めた。出られない、自由もない、ろくに電気も供給されない。そういう状況に置いたから『青空監獄』と言われた」(内藤教授)
 
 “青空監獄“には、武器を持たず、なぜ今自分がそこにいるのか、考える余裕などない人々が今も多く住んでいて「いますぐ攻撃をやめて欲しい」と切に願っている。
(『ABEMA的ニュースショー』より)

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