大分県別府市の県道でバイクの大学生2人が死傷したひき逃げ事件で、警察は現場から逃走した八田與一容疑者(27)について道路交通法(救護義務)違反では初となる重要指名手配に指定し行方を追っている。
 遺族は殺人容疑の適用を求めて告訴しているが、検事を4年務めた西山晴基弁護士は「高いハードルがある」と指摘する。
 
【映像】ひき逃げで「殺人罪」に適用された事例
 
 西山弁護士は「自分の走行している目の前に被害者がいる、ということを認識していたということが言えなければ、殺意があると認定できない」としたうえで、「さらにその認識があったことを客観的状況から認定する必要があり、すごくハードルが高い」と指摘する。また、「その認識がないとなると、過失による犯行となって過失運転致傷とかになってくる」と話す。
 
 では、過去のひき逃げ事件において殺人および殺人未遂罪が適用されたケースにはどういったものがあるのか。