「炎上した時にマスコミが沈黙したのが1番良くなかった」”保毛尾田保毛男”問題を社会学者が振り返る
トランス女性をいじって大炎上 有名コメディアンのネタ
この記事の写真をみる(4枚)

 とんねるず・石橋貴明扮するキャラクター「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が、2017年に一夜限定で復活すると、物議を醸し、炎上。その際の出来事を社会学者が振り返り、ズバッと問題点も指摘する一幕があった。

【映像】トランス女性をいじって大炎上 有名コメディアンのネタ

 ABEMAでは、稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾による新番組がついに11月からスタート。「7.2 新しい別の窓」リニューアル後の番組名は「ななにー 地下ABEMA」に決定した。11月12日(日)に放送された#2では「ななにー 地下ABEMA LGBTQを考えよう!」と題した企画が展開。LGBTQのテレビでの扱い方を話し、未来に向けた議論を行おうという趣旨だ。

 ゲストとして登場したのは、物心ついたときから自分の性に違和感を抱き、19歳の時に性別適合手術を受けたはるな愛、幼少期からピンクやフリルが大好きで、32歳の時に性別適合手術を受け、女性へ戸籍変更したGENKING.、小さい頃は自分の事を女性だと思っており、46歳の時に性別適合手術を受け、女性へ戸籍変更したKABA.ちゃんの3組。

「炎上した時にマスコミが沈黙したのが1番良くなかった」”保毛尾田保毛男”問題を社会学者が振り返る
拡大する

 昨今の「LGBTQのテレビでの扱い方」について議論が及ぶと、はるなは「(昔の方が圧倒的に)出しろが多かった。最終的にキスとかして、『うああ』とか悲鳴上げながらも、すごい仕事したっていう充実感を得ていた」と、表現の幅が広かった当時を振り返る。

 一方で、今でもはるなはイジられるのが「うれしい」という。自身は受け身ができるのに、過度に気を使われてしまうと自分の個性も死んでしまうことに危機感を覚えているそうだ。

「炎上した時にマスコミが沈黙したのが1番良くなかった」”保毛尾田保毛男”問題を社会学者が振り返る
拡大する

 そんな中で、国内のLGBTQ事情に詳しいプロデューサー・大学教員の若新雄純氏は、世の中のLGBTQに対する見方が大きく変わった事例をあげた。それはとんねるず・石橋貴明扮するキャラクター「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が炎上した件だ。

 2017年に放送された「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ)30周年記念のスペシャル番組で保毛尾田が1夜限りの復活を果たすと、これが物議を醸し、最終的にフジテレビが謝罪する騒動に発展した。若新氏は「あれを機になんでもかんでも触っちゃいけない風潮になった」と考えを示す。

「炎上した時にマスコミが沈黙したのが1番良くなかった」”保毛尾田保毛男”問題を社会学者が振り返る
拡大する

 その上で若新氏は「1番の問題は炎上した時にマスコミが沈黙したことだと思う」「反省会を堂々とするとダメだったことを認めることになるから、沈黙して世の中が忘れるまでスルーした」と言及。その上で「一つ複雑な問題が起きた時は黙るのではなくて、ちゃんと議論して話し合うべき」と考えを示した。

 一方、保毛尾田のキャラクターを面白いと感じているKABA.ちゃんは、声をあげた団体に「あんたたちのせいよ」と直接伝えたという。はるなも「あれはあれで面白かったもんね」と同調していた。

(ABEMA「ななにー 地下ABEMA」より)

この記事の画像一覧
ななにー 地下ABEMA 
ななにー 地下ABEMA 
「私は精子がない体だけど、男性」元女性で現在は2児の父…日本LGBT協会・清水展人にはるな愛が興味津々「授かるってどうやって?」
この記事の写真をみる(4枚)