パンチの衝撃で身体機能が一時停止。まるでスイッチが切れたかのように前から崩れて前のめりにぐにゃり。かつて無いほどの衝撃的なKOシーンに「ぐにゃぐにゃだった」「糸が切れた人形のようだった」など驚きの声が殺到。急所を一撃で打ち抜いたフィニッシュシーンを「右のパンチがスゴイ。直接、脳を揺らした」と解説の現役ファイターが驚き交じりに称賛した。
11月10日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 40」でアリーフ・ソー・デチャパン(タイ / マレーシア)と ペイマン・ゾルファガリ(イラン)が対戦。試合は1ラウンドで3つのダウンを奪ったアリーフが文字どおりの完勝。KO状態から2度復活したゾルファガリの折れない心も注目を集めたが、急所を一撃で打ち抜いた右のフィニッシュブローに戦慄が走った。
初参戦のゾルファガリと対戦するのは、ONEで2連勝中のアリーフ。"50秒バックエルボー葬"でインパクトを残した期待の19才だ。
そんなアリーフの勢いはこの試合でも健在。開始わずか15秒でアリーフがきれいな左カウンターを当てていきなり最初のダウンを奪う。脳を揺らされたゾルファガリは、すでに意識朦朧。ABEMAゲスト解説の中田大貴が「よく立ちましたね」と述べるも「ちょっと足に来ています」と心配した矢先だった。
コーナーを背に打ち合うゾルファガリだが、アリーフの右、さらに左でアゴを打ち抜かれると腰が砕けるようにロープに前のめりにもたれながら2度目のダウン。ここで終わりか…と思われたが、ゾルファガリはムクッと立ち上がった。
「おぉ、凄いですね」「やるのか、やるのか」
そんな驚きの声が放送席から上がるなかで試合は再開。しかし、この時点で「効いてる」「もう止めて」「止めた方が」「ゾンビだ」など、ファンがざわつき始める。
ダメージの蓄積からか、パンチ、ミドルを放つも焦点が定まらないゾルファガリ。首を振りながらワンパン狙いでギャンブルに出るも、最後は「ぐちゃ」と嫌な音とともにアリーフの右を被弾。その瞬間に動きが止まり、力なくぐにゃり。両手は伸びきり、左手は逆方向を向いて捻じれるように力尽きた壮絶な決着でゴングとなった。
実況アナが「嫌な倒れ方。ぐにゃりと倒れていきました」と第一声を発したこのシーン。ファンも「最後はくねくねになっていた」「ぐにゃぐにゃだった」「糸が切れた人形のようだった」と続いた。
最後のKOシーンが流れると、中田は「これは凄いな…」とポツリ。「耳の後ろですね。耳の後ろは耐えられない。そもそも見えない。直接脳を揺らすことができるので。アゴだったらグッと首の力で耐えることができるんですけど、耳の後ろは直接脳を揺らされちゃうので」と解説。改めて、壮絶なKOシーンを振り返った。
また、負けなし&インパクト大の3連勝を飾ったアリーフ。この試合直後にリング上でONEとの正式契約を告げられると、泣き崩れ、感謝と決意を述べた。