長男が起こした発砲事件で、父親である長野県の市議会議員が辞職。総理秘書官である息子の官邸での忘年会報道をめぐり、岸田総理は身内に甘いと批判の声があがった。芸能界でも子どもが薬物や暴行事件などで逮捕されるたびに、親が謝罪や会見を行うことがある。
一方で、成人している子どもの犯した罪に対して親が謝ることに疑問の声も。〝親の責任〟はどこまでなのか、『ABEMA Prime』で議論した。
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「息子が何かやらかした市議会議員が教育委員会の委員であれば、影響はやはりある。子どもを見るのに何が必要か、どうやればいいかわからない人に任せては駄目だとなるわけだ。テレビに関しては、その人がやっている仕事と、子どもが起こしたことに関係性がなければいい。息子が覚せい剤で捕まった女優がお金を渡していたとして、そのお金で買っていたのであれば責任があると思う」と話す。
リディラバ代表の安部敏樹氏は「親心として心配するのは自然なことだと思うからこそ、“親の責任ではない”と意図的に言わないといけない。これが続いたら少子化はどんどん進む。地域や学校が子育てに参加してくれず、親の負担は大きい上で、子どもが何か起こしたらさらに責任を取らなければいけない。そういう社会でいいのかという話にもつながる」と述べた。
元検事で弁護士の大澤孝征氏は「歴史や文化とは切り離して考えられない」と指摘する。「少なくとも江戸時代は400年にわたって家制度を確立し、個人よりもはるかに親や家を大事にしてきた。明治になって家制度を庶民に広げ、これも100年。責任者を追うのは藩主であり、家長、戸主であるという考え方が根強くある。何か問題が起きた時、家に対して“責任者は誰だ。少なくとも謝れ。この問題や不祥事をどう思うのか?”と問いたくなる心理があることは間違いない。人類がコミュニティを作る動物である以上は、社会的な責任を問うことは、良いにせよ悪いにせよ免れられない。親は覚悟を決めたほうがいいと思う」。
また、「戦後、アメリカの制度を受け入れて、家庭裁判所も少年院もでき、更生させようとしている。子どもの更生率は成人に比べてはるかに高い」と付け加えた。
メンタリストのDaiGoは「小さい時にめちゃくちゃやんちゃだった子どもが、大人になってからまともになると成功しやすいという研究がある。要するに、どこまでやってはいけないかを試して、いろいろ後悔した上で大人になり、じゃあ何ができるか?と考えられる。両方に振らないと人はわからない」と述べる。
ひろゆき氏は「子どもの頃にやらかして、“子どもなので許してください”というのを経験したほうがいいと思うが、今は未成年なら“親に責任がある”と追及される。社会の許容度の問題だという気がする」との見方を示した。
DaiGoは「ネットが出てきてから顕著になったと思う。ネットの炎上に関わるのはユーザーの0.47%しかいない。つまり、一部の人が騒いでいるだけだ。第三者がそういうふうに叩くのが問題だ」とした。(『ABEMA Prime』より)
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