ゾーン──。リミットが外れ、超集中状態になったアスリートが自らが持つパフォーマンス以上のプレーを発揮している時のことを言う。4ー1で勝利したドイツ代表との国際親善試合を思い返し、冨安健洋は「ゾーンに入っていた」と語った。
FIFAワールドカップカタール2022以来となる日本代表復帰を果たした冨安は、9月シリーズのドイツ戦にスタメン出場した。この日の冨安は攻守で貢献。特に賞賛されたのが、前半終了間際のFWザネに対する対応だった。
FWハヴァーツのマークについていた冨安だったが、突然、日本のディフェンスラインを突破しにかかったザネのマークにチェンジ。伊藤洋輝とマーク交換して、自身は全速力でザネを追った。するとボックス内でザネのトラップがやや長くなったところを見逃さず、スライディングでボールを蹴り出し、このピンチを脱したのだ。
11月12日の『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)では、番組スペシャルサポーターの影山優佳がイギリス・ロンドンに渡り、冨安と対談。このザネのシーンについて振り返った冨安は「洋輝がザネについて行く前提でハヴァーツについていましたが、そこでパスをだされて洋輝も遅れていた。なので感覚。コミュニケーションは取ってなくて、本当に1秒、2秒の世界」と咄嗟の判断だったことを明かした。
さらに冨安はこの試合全体について「なんでここ見えていたんだろう」と思うシーンが何度もあったと言う。「ワンタッチで大地くんに出した(ダイレクト)パスとか『なんでここ見えてたんだろう』」と先制点の起点となったプレーを振り返るとともに「ゾーンに入っていた」と自己分析した。
また、本来はクレバーで、淡々としたプレーをするイメージの冨安だが、影山から「ザネ選手をブロックできたシーンでは珍しくガッツポーズが飛び出して、気持ちがあらわに出ていた印象でした」と言われると、「結構ギリギリで、正直この試合のことをあまり覚えてないんです」と振り返る。「あとから見返して『こうだったな。ああだったな』となるんですけど、試合中は感じるままにやっていました。だからガッツポーズも勝手に出た」と、目の前のプレーに対し極限まで集中し、気を吐いて戦っていたようだ。
W杯でのリベンジをするために立ち向かってきた本気のドイツに圧巻のパフォーマンスを発揮した冨安。今月のアジア2次予選や来年のAFCアジアカップ、2026年のW杯で一体どんなプレーを見せてくれるだろうか。注目が集まる。
(ABEMAスポーツタイム)

















