11月19日(日)に開催される全試合オープンフィンガーグローブ(OFG)着用の立ち技格闘技イベント「FIGHT CLUB」。今大会では初代RISE OFG-65kg王者であり、大会のプロデューサー役でもあるYA-MANと再起を図るMMAファイター朝倉未来が対戦する。
【詳細】朝倉未来とYA-MANが激突「FIGHT CLUB」
この一戦はキックを主戦場に戦うYA-MANに、キック初挑戦の朝倉が挑む形ではあるが、選手・関係者の予想は朝倉有利。ABEMA公式Xのファンによる勝敗予想も74.4%で朝倉勝利を予想する声が多い。国内トップクラスの打撃スキルを誇るMMAファイターの朝倉がYA-MANを倒すだろうという見立てが七割以上を占めている。
確かに過去にキックボクサーとMMAファイターがキックルールで戦った試合で、MMAファイターが劇的な勝利を収めたことは少なくない。特にK-1(キック)とDREAM(MMA)が存在していた時代には、キックルールでも勝つMMAファイターの姿が目立った。
2008年大晦日にはアリスター・オーフレイムがバダ・ハリ、ゲガール・ムサシが武蔵、川尻達也が武田幸三をKOし、MMAファイターがキックルールでキックボクサーをKOで3タテするビッグサプライズが起きた。
さらに2010年にはアリスターが当時のK-1 WORLD GPヘビー級トーナメントで優勝を果たすなど、この時期にMMAファイターの打撃スキルはキックボクサーより上という印象を持った人も多かったに違いない。
ではYA-MANと朝倉が戦う現在はどうか。UFCミドル級ではGLORY(キック)出身のイスラエル・アデサニヤとアレックス・ペレイラが交互にベルトを巻き、ペレイラはライトヘビー級でもチャンピオンになった。しかもペレイラはキック時代とほぼ変わらない構えやスタンスで戦い、GLORYとUFCの頂点に登り詰めた。ONE ChampionshipのMMAルールで世界バンタム級王者になったファブリシオ・アンドラージもキック出身だ。
もちろんキック・MMA問わず、格闘技のバックボーンで有利不利はなく、最終的にはその選手が個人として強いかどうかで勝敗は決まる。しかしペレイラのように“キックボクシング”のままでMMAで勝つ、OFGやMMAの間合いでもキックの技術が通用することを証明する選手がいることも事実だ。
まさにキックボクサーの逆襲。その追い風に乗ってYA-MANの拳が下馬評を覆すことは決して驚きではない。