日本維新の会の馬場伸幸代表が、野党連携による政権交代について、みずからの考えを示した。
 
【映像】政権交代について語る 維新・馬場代表
 
 馬場代表は2023年7月時点で、立憲民主党を「叩き潰して消滅させる」と敵視していた。
 野党第一党の立憲と、第二党の維新は、昨年秋ごろまでは友好関係にあった。しかし国会での共闘に合意する一方で、考え方は「水と油」だ。とくに憲法9条への自衛隊明記では、立憲が反対、維新が賛成の立場。憲法や安全保障など、党の根幹に関わる基本的な考え方について、大きな溝が存在する。また国会戦術においても、立憲が採決を先延ばししたり、不信任決議を行う一方、維新はどちらの戦術にも否定的。
     
 両党の決裂が浮き彫りになったのが、4月の衆参補欠選挙だ。衆院千葉5区では、統一候補を出せば、得票数で自民党に勝てたのではないかと言われているが、選挙協力は行われず、自民候補に敗れた。しかし維新は、衆院補欠選挙で、和歌山での初議席を獲得。統一地方選でも「600人当選しないと辞任」と宣言して挑んだ結果、744人が当選し大躍進。
 次期衆院選では、立憲・泉健太代表が「150議席を取らないと辞任」、馬場代表は「すべての選挙区に候補者を擁立する方針」として、泉代表や岡田克也幹事長の選挙区にも対立候補を出すと発表した。
 そんななか旧統一教会の被害者救済法案では、自民党・公明党・国民民主党の3党共同提出に対して、立憲・維新の案を共同で提出するなど、共闘姿勢も見せている。岸田内閣の支持率が低下するなか、野党による連立政権はあり得るのだろうか。
 ジャーナリストの青山和弘氏は「内閣支持率が低いと、野党は『倒すチャンスだ』と結束がでてくる」と指摘する。
 
「自民・公明の与党が過半数を割り込む可能性があるかもしれない。野党で連携すれば、政権交代できる可能性が出ると、結束が固まるのが普通。ただ、今の段階では、そこまでという感じはない。(立憲と維新の連携は)個別法案の対応で、まだ選挙に向けては、立憲と維新は対立状況にあるのが現状だと思う」(青山和弘氏)
 
 では、もし自公与党が過半数割れした場合、連立は選択肢のひとつになるか。馬場代表は「絶対にないとは言わないが、単独で政権をお預かりすることが目標。熱心にそれぞれの政党をご支援いただいているみなさんに失礼だと思う」と持論を述べた。
     
 時事YouTuberのたかまつななは、自民政権が長く続いているため、「維新、立憲、国民とかがくっついて、政権交代を次の衆院選で目指してほしいと思っている人もいる」と指摘する。これに対しても、馬場代表は否定的だ。
 
「基本理念や信念の違う政党が、数合わせで集まって政権を担うと、どういうことになるか。近年の日本政治を振り返ってもらえばわかる。『カラスが白い』という方と、『カラスが黒い』という方、絶対一緒にできない。『カラスが黒い』と『カラスがグレー』くらいの範疇で政治をやっていかないと、本来やるべき仕事ができなくなる」(馬場伸幸代表)
 
 馬場代表は、あくまで政権交代は「連立ではなく維新単独」との立場を保ち、「大体10年サイクルで政権を担えるようになる」との目標を示した。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)