増える「忘年会」 “幹事”が回ってきた若手社員へ、中室教授「自由参加が原則」「好きな人に任せたらいい」
【映像】中室教授「幹事は高いスキルが必要」
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 新型コロナウイルスが5類に移行し、初めての忘年会シーズンに入った。コロナ禍の入社で初めての経験になる人も多い「職場の忘年会」。楽しみにしている人が多い中、若手社員からも「憧れる」「残業扱いにしてほしい」など様々な意見があるようだ。

【映像】中室教授「幹事は高いスキルが必要」

 今年の職場での忘年会の開催有無について、「2023年忘年会意識調査」(ライボJob総研調べ)によると、開催ありが52.3%、開催なしが47.7%だった。

 参加したい派は55.8%で、主な理由は以下だった。

1.職場の人とのコミュニケーション
2.上司との関係構築
3.同僚との関係構築

 参加したくない派は44.2%で、主な理由は以下だった。

1.気を遣うのが疲れる
2.特に必要性を感じない
3.経済的な負担が気になる

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 忘年会の意義や苦手とする人へのアドバイスについて、教育経済学を専門とする、慶應義塾大学の中室牧子教授に話を聞いた。

━━忘年会の開催や参加についてどう思う?

「私は参加したい派だし、自ら幹事をやる派。職場の人間関係が良好ということなんだろう」(中室氏、以下同)

 賛成派と反対派、それぞれの意見には以下のようなものがある。

賛成派
・リモートだけでは人間関係を構築しにくかったので、オフラインの忘年会には参加していきたい。
・コロナ禍に社会人になったので、忘年会などのお酒の席に憧れがある。むしろ積極的に行きたい。

反対派
・会社の忘年会は残業扱いにしてほしい。
・コンプライアンスやハラスメントが問題になりやすいので、お酒が入る忘年会は事故の元とも言える。

 また、職場での忘年会で不要だと思う文化として、部下が上司にお酒を注ぐ、グラスが空いた人に次の飲み物を聞く、席順を気にする、などが挙げられた。

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━━職場での忘年会のメリット、デメリットはどう考える?

「職場の人と色々な話をすることで、普段の仕事上では知ることのできないその人の考え、好み、あるいは悩みなどを聞けるというのは、仕事上のコミュニケーションを円滑にする上でも大事なことだと考えている」

━━強制的な参加や残業扱いにするという意見については?

「忘年会は基本的に自由参加であり、行っても行かなくてもいいもの。全員の日程を合わせて開催する必要はなく、行きたい人が行くというのが原則だ」

━━誘う側のコンプライアンスについては?

「非常に気を遣う。若い人が本音を言うのはなかなか難しいかもしれない。嫌だと思っていても言えないかもしれないので、私は若い人たちからお誘いがあった場合にのみ参加して、自分からは誘わないようにしている」

━━若手社員が気を遣う分野のようだが、忘年会の幹事の心得は?

「忘年会の幹事というのは高いスキルが必要だ。お金の集め方、過不足ない支払い、参加者の把握、それに合ったお店を選ぶなど、総合力が求められる。私は誰にも頼まれていないのに幹事をやるタイプなので、そういうことが苦手な人は好きな人にやってもらったらいいと思う」

━━有意義なコミュニケーションがとれると、キャリアや知見にプラスになる?

「それは間違いなくある。私は『この方とこの方が一緒にお話して、何か新しい化学反応が起こったら素晴らしいわ』『あなた、こちらでお話しなさい』という感じで人を繋げることもある」

(『ABEMAヒルズ』より)

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