これ以上ない"ドンピシャ"のクリーンヒットでえぐったアッパーをまともに被弾した選手が前のめりにダウン。誰もが「そのまま試合終了」を確信した次の瞬間、一度は選手の頭を守ったレフェリーが一転、頭を支え、体を起こして試合続行を求める"無茶振り”の暴挙。よもやの事態に「鬼だw」「止めてくれって顔してるだろ」「起こしてるやん」と批判が殺到。実況の現役選手も「あれアリなんだ…」と苦笑いを浮かべた。
12月1日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 43」。チャンナッジョン・PK・センチャイ（タイ）とムスタファ・タクレティ（イラク）の対戦は2ラウンド、タクレティがピンポイントのアッパーでチャンナッジョンを沈めてノックアウト勝利を収めた。しかし、クリティカルなダウンを喫した直後、半ば強引に手負いの選手を立たせて試合復帰を促したレフェリーの奇妙な行動に波紋が広がった。
ラジャダムナン元王者で、35歳ベテランのチャンナッジョンと、ONE２戦目となるイラク人ムエタイ選手タクレティとの対戦は、2ラウンドに文字どおりの一撃決着を迎えた。
フックをまとめラッシュのタクレティの攻撃に動きが止まったチャンナッジョン。その後も掴みからのヒザなどを次々と被弾して明らかに効いている様子だが、クリンチでなんとかやり過ごす苦しい展開を強いられる。
この展開にABEMA解説で、元ムエタイ三冠王者でDEEPで活躍する雅駿介が「（チャンナッジョンは）反応が悪いですね、効いてます」とコメント。それでも、何とか立て直したかに見えたその時だった。
チャンナッジョンの頭が下がり、顔が下を向いた一瞬のタイミングでタクレティの右アッパーがクリーンヒット。これを貰ったチャンナッジョンは前から派手に崩れ落ちた。
このとき、レフェリーがとっさの判断で、チャンナッジョンの後頭部を抑えてリングへの激突を回避したが、その後の謎行動が波紋を呼んだ。
レフェリーは完全にダウン状態のチャンナッジョンの首を支えて体を起こしながら「まだやれるだろ、立てよ！」とばかりにダウンカウント。さらに試合への復帰を促したのだ。よもやのシーンに実況アナは「まだ立たせようとする…」と言葉に詰まると、雅も「レフェリーが首ささえてOKなんですか？ これキツイだろ」と本音が漏れた。
その後、何とか立ち上がったチャンナッジョンだが、足元はフラフラ。その目からは「いや、もう無理です…」といった様子も。そこでようやく、レフェリーが試合を止めた。
選手を守った行動から一転、レフェリーがとった謎の行動にファンも騒然。「止めろよ」「鬼だｗｗｗ」「レフェリー何してんだよ」「立たせようとした」「頭支えてカウントとるな」「支えて立たせるレフェリーｗ」などの声が殺到。さらにダウン直後のチャンナッジョンの姿を見て「止めてくれって顔してるよ…」と同情の声が上がった。
リプレー映像が流れ、頭へのダメージを食い止めた"神采配"から一転、何故か試合続行の流れに持って行ったレフェリー謎の行動に、改めて実況が「レフェリーもなんとか支えて立たせようとしましたが」と述べると、雅も「そうですね…首支えてましたもんね。あれアリなんだ」と失笑。困惑を隠せない様子だった。
