左足一閃で、まるで糸が切れた人形のように相手選手が失神。パンチを連打した挙動、さらに近距離からブレずに振り抜いた切れ味鋭い一撃に、現役ファイターも「あれは見えない」「マジでエグい」「ニュータイプすぎる」と衝撃を受け、その理由“いかにヤバイか”を詳細に説明した。
12月1日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 43」。アスラムジョン・オルチコフ（ウズベキスタン）とチャータナン・ソー・ジョー・ジョイプラジンの対戦は1ラウンド、オルチコフが戦慄の左ハイで失神KO勝ち。圧倒的攻撃力を見せたオルチコフの逸材ぶりに注目が集まった。
ウズベキスタン出身の20歳オルチコフとチャータナンはともにONEで2連勝中。特にオルチコフはデビューから16連勝“負け無し”と驚異の記録を更新中だ。
ゴングとともにゆったりとしたフォームから切れのあるローを飛ばすチャータナン。しかし、オルチコフも巧みに蹴りをカットしするなりミドルやハイで素早い反応を見せる。
フック、前蹴り、ミドル、ハイと変幻自在の攻撃を見せるオルチコフに、解説の元ムエタイ三冠王者でDEEPでも活躍する雅駿介は「お腹、顔、顔と攻撃を散らしているハイレベルな攻防。相手のキックもキレてるのに掴んで3発返してる」と攻防に驚嘆。
その後、オルチコフが左フックを振り抜くと、チャータナンがロープ際でフラッシュぎみに転倒。これはノーダウンとなったが、すぐに立ち上がり反撃に出るチャータナンに雅は「ペースを上げるのも大事だけど、焦らなくていい」と忠告。しかし、衝撃のクライマックスはその直後だった…。
劣勢を跳ね返すべくチャータナンが左右の強打を振るって前進。これを巧みなステップでいなしたオルチコフは、距離が接近したタイミングで予想外の左ハイを一閃した。
これをまともに被弾したチャータナンが糸が切れた人形のように力なく崩れ落ちるとABEMA実況の小出アナが「意識を断った！意識を完全に断ちました！」と絶叫した。
さらに雅は「マジでエグい」「ニュータイプすぎる」「スターになる」「超強い、早くONE本戦に出したほうがいい」とオルチコフをベタ褒め。現役ファイターの力のこもったプレゼンにファンも納得か「フルスウィング革命だな」「将来有望だ」と反応した。
スロー映像で衝撃のKOシーンを振り返った雅は「近い距離で頭を振って（パンチを放ったあとに）そこからハイキックを蹴るのは難しい。それだけこの選手はバランスがいい。一切ブレていない。あれは見えない。ハイキックを蹴るときに体を倒すと足は上がりやすいが、頭の位置が一切変わらなかった」とその凄さを力説した。
