大晦日にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.45』。MMAデビュー戦をレスリングの五輪メダリストである太田忍(パラエストラ柏)と対戦することが決定している芦澤竜誠(フリー)。本番を間近に控えた芦澤のもとを演出家のマッコイ斉藤氏が訪問したところ悲劇的な騒動が起こった。
マッコイ氏が訪れたのは、東京・豊島区にある「T・GRIP TOKYO」。かねてから「芦澤竜誠と行くぶらり喧嘩旅」で親交のある二人。運命の一戦を前に表敬訪問となった。しかし、“混ぜるな危険”の二人。この日もジムで笑いあり、ガチありの騒動を繰り広げた。
ジムに入るなり、いつもと異なる雰囲気の芦澤に「声をかけづらい」とマッコイ氏。元DEEPバンタム・フェザー級王者である大塚隆史コーチとの練習はさらにヒートアップしていく。小休憩のタイミングで大塚コーチに話を聞くと「(ふざけている印象が強かったが)こんなに真面目だとは思わなかった」と芦澤の練習態度に驚いた様子。さらに芦澤は同じくRIZIN.45に出場するKrushフェザー級王者である篠塚辰樹とも精力的なスパーをこなす。
「気合入ってんな」
ようやくマッコイ氏が声をかけると「おれがRIZINに対戦を申し入れた。4カ月前から対策をしている。アイツをぶち殺す」と臨戦態勢だ。
さらにひと汗かいた芦澤は「汗かくと気持ち良い。テンション上がるな。人間そういうもんだろ」。太田対策について聞かれると「ない」「俺が強くなるだけ。俺がやることは一つ。殴り倒すだけ」と自信満々だ。
芦澤の熱気に気圧されていたが、ただでは引き下がれないマッコイ氏が動く。MMAデビュー戦を迎える芦澤の事が心配なマッコイ氏は、太田のタックルに警戒を促す。「対策はバッチリ」とばかりにヒザを合わせてみせた芦澤は、続けて右のローを叩き込んだ。
「あ、危ない」「危ないっていうんだよ、お前は」「なんで俺に本気でやってくるんだよ」
ジム内にマッコイ氏の緊迫した声が響く。さらに驚いたマッコイ氏は「大塚さん、こいつバカなんですよ」といつもの調子で芦澤をバカ呼ばわり。苦笑いを浮かべた大塚コーチは「興奮しちゃうんで」と応じた。
その後、RIZINファイターの先輩である中原由貴選手とも打撃からタックル、さらにタックルを切る練習をしたところで、そこから先の練習は非公開となった。
練習後に再度、太田のタックルに注意を促したマッコイ氏だったが、ここでもローキックの返り討ちに。「危ない」「やめろって言ってんだろ」と悶絶した。
一方、芦澤vs太田について聞かれた中原選手は「ぜんぜん、いっちゃうんじゃないですか」と答えると「(勝因は)ある」と断言。先輩RIZINファイターのお墨付きを受けた芦澤は終始ご満悦。さらに気分を良くした芦澤は、マッコイ氏に対して、勝利した際の祝勝会を約束させていた。