一発目はガードの隙間からテンプルへ。二発目は顔面が仰け反るクリティカルな一撃。一試合で2発も飛び出した“戦慄の右ハイ”。衝撃のKOシーンと見事な再現力に驚きと称賛の声があがっている。
12月17日に後楽園ホールで開催された「Krush.156」。瀧山悠斗(WSRフェアテックス西川口)と遼(JANJIRA GYM)の対戦は、1ラウンド、2ラウンドと連続で瀧山がハイキックを振り抜いてKO勝ちを収めた。
プレリミナリーファイト第1試合でインパクトのあるKOが飛び出した。瀧山と遼ともにKrushの下部大会「Krush-EX」からの昇格組同士の対戦。この一番で勝利した選手にはKrush本戦出場も見えてくる重要な一戦だ。
試合開始から拳と蹴りが交差する拮抗した攻防。ラウンド後半にかけてギアを上げた瀧山が、右ハイや右ボディなど単発だが強い攻撃を見せると、残り25秒、ガードの外から側頭部へ強烈な右ハイキックを振り抜いてダウンを奪う。思わぬ一撃に腰を落とした遼だが、すぐに立ち上がるとラウンドは終了に。
スローリプレイでも、瀧山が一度右のパンチをおとりで見せてから、右ハイをガードの間を縫うように会心のハイを一閃。「ガードできてない」「テンプルに当たった」とファンがどよめいた。
2ラウンド、ダウンを取られた遼もプレッシャーをかけコーナーで連打と積極性を見せる。一方の瀧山は落ち着きながら距離を縮め、飛び膝と右ハイ、さらに左のストレートを当てる。このままラウンド終了かと思われ残り1分。瀧山がロープ際で右のハイキックを再び一閃。ほぼノーガードの顔面を撃ち抜かれた遼の顔面が一瞬、大きく跳ね上がるほどの衝撃に「またしてもハイキック。今回はモロにくらいました」と実況が絶叫。遼はそのまま前から崩れ、うつ伏せ状態で立ち上がれず試合終了となった。
2発のハイキックでダウンを奪って、圧巻のKO。圧倒的な破壊力を証明した瀧山は、意外にもこれがキャリア初のKO勝利。そんな瀧山に対して「お見事」「ムチのような蹴り」と驚きと称賛の声が寄せられた。