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【映像】“支援疲れ”をプーチン大統領はどう見る?
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 ウクライナへの各国の支援が新たな局面を迎えている。

【映像】“支援疲れ”をプーチン大統領はどう見る?

 2023年8月から10月末に新たに表明された支援額は去年の同じ時期に比べておよそ9割減の約3300億円となり、ロシアによるウクライナ侵攻以来最低となった。

 EUは500億ユーロ(約7.8兆円)の追加支援の採決を行ったがハンガリーが拒否権を発動。アメリカも610億ドル(8.7兆円)の追加予算が年内に可決しなかった。 

 “支援疲れ”とも言われるEUやアメリカの状況について東京大学 先端科学技術研究センター准教授の小泉悠氏に話を聞いた。

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━━“支援疲れ”が現実になってきているのか?

 「現状、戦車や大砲といったハードウェアはおおむね引き渡し終わっているが、おそらく『弾』の不足が起こっている。ウクライナがもう一度反転攻勢をかけるには兆円単位の大規模な支援が必要だが、アメリカ・EUの状況をみると反撃のための予算は通っておらず、この先のウクライナについての見通しが立たない」

━━アメリカ国内におけるウクライナに対する関心は?

 「最近のアメリカの新聞を見ると、ウクライナ問題は一面では扱われず、パレスチナ問題のほうが関心が高い。国民による『ウクライナの問題も安全保障上の大問題だ』という合意がなければ議会でも話が通りにくくなるだろう。我々自身がこの問題をどう語り続けるか、という問題でもある。」

━━ウクライナとロシアの問題の解決にはさらに時間がかかるのか?

 「4年目も見えていると思われる。支援の停滞もあり、来年ウクライナは守りに入らなければならず、ロシアの攻勢が続くだろう。すると来年で決着がつくと思えない」

━━ロシアのプーチン大統領はこの状況をどう捉えているのか?

 「ロシアは軍事的な能力を有しており、苦しいと言われる経済もけっして破綻はしていない。あと1〜2年戦いを続けられる体力がある。反対に、時間かけているうちに西側からのウクライナ支援がだんだん低下、さらにアメリカについてはトランプ再登板で完全にゼロになる可能性もある。そうなると首都キーウを占拠する見込みも立ってくるため、今やめる理由はないだろう」

━━苦しい状況が続く中、ウクライナ国民のゼレンスキー大統領への信頼は揺らいでいないのか?

 「侵攻が始まった頃の『何がなんでもゼレンスキー支持しよう。みんなで大統領のもとに結集しよう』という熱意はだんだん冷めているが、何もかも投げ捨ててしまうと完全にロシアの言いなりになってしまう。ゼレンスキー大統領に対しての不満も出てきているが、国民の中で自制が働いているのでは」

(『ABEMAヒルズ』より)

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