年末年始の渋滞予測とその回避術について、公益財団法人 日本道路交通情報センターの桒原萌子さんに聞いた。
━━これから迎える年末年始に例年と異なる点はあるか?
「今年は特に新型コロナウイルスに関わる規制緩和も大きく進んでいるため、高速道路の交通量もコロナ禍前の水準まで戻ることが予想されている」
━━年末の渋滞予想は?
「下りのピークは12月29日と30日、年始の1月2日。特に年末は12月29日に東名高速道路の下りは神奈川県の秦野中井IC付近を先頭に最大で40キロの渋滞が予想されている」
━━年始の渋滞予想は?
「上りのピークは1月2日と3日。特に年始は1月2日に東北道の上りは埼玉県の加須IC付近を先頭に最大で35キロの渋滞が予想されている」
━━渋滞を避けるコツや裏技はあるか?
「3つ紹介する。1つ目は渋滞のピークとなる日にちと時間をずらすこと。渋滞予測は過去の渋滞の発生状況や休日の並び、さらにイベントの開催日など様々な条件が考慮されています。今年の場合、年末は下りの渋滞のピークを避けるため前後の12月28日や31日を、年始は上りのピークを避けるために1日や4日の外出を検討してほしい。日にちをずらすことが難しい場合はピークとなる時間帯を外すことを勧めたい」
「2つ目は最新の道路交通情報を確認すること。現在の状況や事故などによる渋滞を確認することで効率的なルートを選ベます。日本道路交通情報センターではホームページでは24時間リアルタイムな情報を無料で提供していることに加え、電話でも24時間道路交通情報の問い合わせを受け付けている」
「3つ目は出かける時期の天気予報を確認すること。今年は例年と比べて年末から年始にかけて全国的に寒さが和らぎ、太平洋側ではおおむね晴れや曇りの予報となっている。ただし、北日本では風や雪が強まることもあるため出かける際は必ず冬用のタイヤやタイヤチェーンなどの滑り止めを確認してほしい。また、雨が降ると路面の状況が少し悪くなり、事故と故障車が増える傾向にある」
━━渋滞が発生しやすい場所はあるか?
「1位は『サグ』(下り坂から上り坂に差し掛かる区間)、2位はトンネルの入り口部分、3位はICの合流部分。渋滞が発生するのは交通が集中して道路の交通容量を超えてしまうため。中央道を例に伝えると、上りの小仏トンネルでは毎週日曜日の夕方から夜にかけて交通量が増えるため渋滞が発生している。また、小仏トンネルは『サグ』と言われる下り坂から上り坂に変わるV字型になっている箇所があり、傾斜の変化が緩やかなためドライバーは上り坂になったことに気づかずに速度が落ちてしまい、渋滞が発生する原因になっている」
━━”渋滞予測のプロ”桒原さんも渋滞にはまることはあるのか?
「仕事柄、渋滞する場所や時間帯は把握しているので、友達や家族からナビ代わりに重宝されている。事故などの渋滞にはまってしまうことはある」
━━桒原さんの声はまさに『ラジオで聞く声』だが、明瞭に伝えるために心がけていることはあるか?
「ゆっくり聞きやすい『間』で話すことを心がけている。加えて原稿は自分で書き、内容を理解しながら読むようにしている」
━━桒原さん自身が運転する時、どのような情報を利用しているか?
「私は普段はラジオを利用することが多い。ラジオの交通情報を聞くとその時の状況が把握できるのでとても便利」
(ABEMA NEWS)