26日、東京・有明アリーナでボクシング・世界スーパーバンタム級４団体王座統一戦が行われ、WBC・WBO王者の井上尚弥（30・大橋）が、WBA・IBF王者のマーロン・タパレス（31・フィリピン）と対戦。4ラウンドに最初のダウンを奪うと、10ラウンド1分2秒でリングに沈めてみせた。史上最速となる５年７カ月で、２階級での４団体統一という偉業が成し遂げられた試合の中で、井上、タパレスの両選手とスパーリング経験のある日本ランカーが、井上が“真のモンスター”に変貌を遂げた瞬間について明かした。
井上の変化を指摘したのは、日本スーパーバンタム級3位の中川麦茶（一力）だ。中川は過去に井上尚弥だけでなく、タパレスの両選手とのスパーリングを経験している。
そんな中川は、井上が真のモンスターに変貌を遂げた瞬間について「みんな言わないんだけど…」と静かに口を開いた。
「井上尚弥選手は（ポイントを）取られたラウンドの次倒すんですよ。フルトン戦もそうだった。今回も9ラウンド取られて、10ラウンドに倒した。これは何かがある」
さらにそう考える理由を次のように続けた。
「相手に『来させる』癖をつけさせて、次のラウンド（相手が出てきたところ）で狙う」
勝負が決した10ラウンドのダウンのシーン。井上尚弥は試合後に突然崩れたようで驚いたといった類の発言をしている。この点について中川は「直当たりじゃない。ガードの隙間を縫うようにきれいに倒したのではなく、1回グローブに当たってから、顔に当たって倒れる。半分ガード越し。ではガード越しでなぜ倒れたのか。（ダメージの）蓄積なんです」と分析すると「タパレスの最後の目を見ていたら、フィジカルとメンタルが同時に壊れた感じがした」と井上尚弥の真の怖さについて語った。
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