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【映像】2009年当時の鳩山紀一郎氏
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 立憲民主党が10月、政治資金世襲制限法案を国会に提出。野田元総理も11月、「自民党には世襲が多すぎる」と批判するなど、世襲議員への風当たりが強まっている。

【映像】2009年当時の鳩山紀一郎氏

 そんな中、ある人物が国会議員を目指すことを宣言し話題になっている。国民民主党から次期衆院選への立候補を表明した、鳩山紀一郎氏だ。父親は旧民主党代表で、2009年に自民党から政権を奪取し総理に就任した、鳩山由紀夫氏。

 「政治家になるつもりはない」と話していた紀一郎氏は、なぜ国政への道を目指すのか。世襲批判に対してどう説明するのか。『ABEMA Prime』で本人に聞いた。

■「父はよく“お花畑”と言われるが、私は現実を直視する理想主義者だ」

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 国民民主党から出馬する理由について、紀一郎氏は「約20年間、大学で都市工学や交通学の専門家として働いていたが、日本がどんどん停滞していく状況を見て、“なんとかしなければならない”という思いで政治の道を歩み始めた。国民民主党の一員になろうと考えたのは、玉木代表の“日本を瀕死の状態から救い出そう”という言葉に強く共感したからだ」と説明。

 その上で世襲ではないかという声に対して「定義によるが、私の場合は“世襲だ”“世襲じゃない”とどちらを言っても批判されるので、自分から何かを言うのは難しい。選挙地盤を引き継ぐことを世襲と呼ぶのであれば、それには当たらない事実はある。ただ、父が元総理だということで、一般的な候補者の方々とは違う見られ方をする認識はある」と述べる。

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 政治ジャーナリストの青山和弘氏は「世襲議員というのは、いわゆるジバン(地盤:選挙区の支持者や後援会)とカバン(鞄:資金力)を引き継ぐのが大きなポイントで、紀一郎さんはそこを継いでいない。カンバン(看板:知名度)が大きいのは間違いないが、選挙区を変えているのに世襲だと批判してしまうと、職業選択の自由と絡んできてしまうと思う」と指摘。

 一方で、「政権交代をしたけれども、その期待を貶めてしまったという部分で、鳩山元総理を世間が見る目は非常に厳しい。紀一郎さんに関しても、そのカンバンがプラスになるかというと厳しい面があると思う」との見方を示した。

 実際、紀一郎氏がXで活動報告をした際に“鳩山なんかもういらん”といったコメントが寄せられたそうで、「鳩山の名前で出るとこういう反応があるんだ、と感じた。ただ私の政治信条は父と違うところも多い。今後、国民民主党の一員として何をしていくかを見ていただいた上で判断いただくしかないと思っている」と述べた。

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 青山氏は「紀一郎さんの政策を見ると、お父さんが割とこだわっている脱原発や辺野古の問題、外交、中国と韓国との関係といったものが一切ない。そこはあえて距離を置こうとしているのか」と質問。

 紀一郎氏は「そこはかなり意見が違うところ。父はよく“お花畑”と言われてしまっているが、それに比べると私は現実を直視する型の理想主義者。政治家は理想を追求すべきだと思うが、何が本質的な問題かを見た上で、中長期的に政策を考えていける政治家が今は求められていると思うので、そこを目指していきたい」との考えを示した。

■政治資金問題に「パーティーそのものをなくしていくべき」

 選挙制度のあり方について、紀一郎氏は「外国では必ず何回かに1度、選挙区を変えなければいけないところもある。その人の政治的な取り組みが確実に評価されて、“この選挙区はこの人だよね”という空気はなくなっていくので、健全な選挙制度になっていくのではないか。一方で、お金がかかりすぎるとまたそれも問題だが、どんどん合理化していけば健全になるのではないか」と話す。

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 自民党の派閥をめぐる政治資金問題はどうみているのか。「非常に不健全な状態だ。企業献金は全体的に禁止しているはずなのに、政治資金パーティーという形ではもらうことができて、一部が収支報告書に記載されずキックバックされている。“書けばよかった”という話もあるが、全体的な選挙制度の中で語るならば、政治資金パーティーそのものをなくしていくべきだと思う」との考えを述べた。

 青山氏は「国民民主党は、もし自公が過半数割れしたら最初に補完勢力になるのではないかと言われている政党だ。そこはどう整理しているのか」と尋ねる。

 紀一郎氏は「政策は短期と中長期で分ける必要がある。短期的な面では、玉木代表もいろいろな戦略があって今のような行動を取られていると思うが、日本をもっと良くしていくためには中長期的な政策を立てていかないといけない。今自民党がやっているような、ちょっとしたことを改革と呼ぶようなことを続けるのではなく、もっとドラスティックな改革をしていくことを中長期で考える必要がある」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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