タクシー不足に拍車がかかる中、2024年4月から東京でもライドシェアが始まる見通しとなった。
【映像】反対していたタクシー業界も一転…“ライドシェア”とは?
「地域交通の担い手不足や、移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、『ライドシェア』の課題に取り組んでまいります」(岸田総理大臣)
インバウンドが回復し、外国人観光客で賑わう観光地や、公共交通機関の乏しい過疎地などで問題となっている“タクシー不足”。
そんな現状を打開するために導入が検討されてきたのが、一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ『ライドシェア』。海外では、もはや当たり前のように利用されているサービスだ。
「タクシーを呼んでもすぐ来ないし高い上に、車も汚なかったりする。サービスが本当に悪かったため『ライドシェア』はとてもいいこと。アプリ上で『いつ来てくれるのか』『何分後にここに来てくれるのか』がすぐわかる。さらに、自分の位置情報をパートナーや友達にシェアできるので、万が一どこかに連れていかれてしまっても、GPS上で探ることができる。便利な面はとても多い」(LA在住・ライドシェア利用者の廣田陽子さん)
しかし日本では、ライドシェアの導入に対して反発や懸念の声も根強く、タクシー業界からは、批判の声も上がっている。
「ライドシェアありきで進んでいて、あまりにも拙速」(東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長)
安全面などから「もっと慎重に進めるべき」との意見もある中、政府は12月20日、4月からライドシェアを部分的に解禁することを決定した。
新制度ではタクシーの配車アプリを使い、タクシーが不足している地域や時間帯で、一般ドライバー・自家用車を活用するとのこと。それに対しタクシー会社は、登録した一般ドライバーの研修・運行管理を行う仕組みだ。また、運賃は通常のタクシーと同じ金額とし、事故が起きた場合はタクシー会社が対応する。
さらに12月26日、政府の規制改革推進会議で、河野規制改革大臣は「そもそもライドシェアに関わらず、答申(最終答申)まで待っていられない。できるものはドンドンやらなきゃいけない」とタクシー会社以外でもライドシェア事業に参入できるよう、岸田総理に提言した。
動きを加速させる政府に対し、ライドシェア解禁に断固反対の方針を続けてきた東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋会長は「『タクシー来ねぇぞ』という声をまず東京から聞こえなくする。ベースの需要はタクシーが担い、ピーク時にはパートタイムの日本型ライドシェアのドライバーにやってもらう」と一転して、4月から東京の一部で導入すると発表した。
今後、地域や時間などは政府からの通達に準拠するとし、配車や支払いはアプリ限定、ドライバーは20〜70歳未満などの案が出ているとのこと。
では、利用者が配車依頼した際、ライドシェアか正規のドライバーかを選べるのか。川鍋氏は、基本的には選べるような仕組みを考えているというが「『(ライドシェアが)嫌だ』という人がいっぱいいると(導入の)意味がなくなってしまう」とも述べている。
規制改革推進会議の中間答申では、タクシー事業者以外の参入を想定した場合の「今後の検討課題」として、ライドシェアドライバーの審査や性犯罪対策(犯罪歴や緊急通報体制)など利用者の安全性に関する事項も上げられている。
先述のLA在住ライター・廣田氏によると、米のライドシェアでは配車会社がドライバーの身元確認を行っているというものの、犯罪行為があった際にドライバーがすぐ辞めてしまう可能性もあるため、位置情報のシェアのほか「運転手の評価の確認、移動中に寝ない、自宅前で降りない」など自衛策を取っている人もいるとのこと。
『ABEMAヒルズ』に出演した森永康平氏は、海外でライドシェアを利用した際に「百何十キロの猛スピードを出すドライバーがいたり、窓ガラス全面にスモークが貼ってある車が来たりしたこともあった」と話す。
さらに「車は密室になるので、特に女性や子どもからすると怖い。導入にあたっては、利用者の安全確保が最重要の課題だ」と話している。(『ABEMAヒルズ』より)
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