軽量級ならではのスピーディーな打撃戦の末に訪れた、劇的すぎる秒殺KO。「効いてねぇよ」「かかってこいよ」と相手を挑発した直後、右を撃ち抜かれて衝撃的な大の字での失神KO負け。ダウンだけはスローに見えるラストシーン…そして絵に描いたような大の字での衝撃決着だった。
1月12日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 47」。クンスック・ソー・デチャパンとヌラペット・ケラスポーツのタイ人対決は1ラウンド55秒、衝撃的な秒殺KO劇。打ち合いのなかでシャープにアゴを2発撃ち抜いたクンスックが、相手を大の字でマットに沈めた。
20歳ながらすでにONE6戦目のクンスックは、4つの勝利のうち3KOという激闘スタイル。一方、この日がONE初戦となる25歳のヌラペットは、白星発進したいところ。そんな51キロのキャッチウェイトでのムエタイ戦は、瞬き厳禁のスピーディーな展開。さらに劇的な決着を迎えた。
試合はヌラペットがクンスックの足をキャッチして連打から前に出て右フック、左のボディと軽快な攻撃が続く。時折、腕を広げて「かかってこい」「効いてねぇよ」といったジェスチャーで相手を挑発する場面も。しかし、この挑発が仇となる。試合開始1分足らず、この間を見逃さなかったクンスックが、左フックから右の強烈な連打。ピンポイントでアゴを撃ち抜かれたヌラペットは、絵に描いたような「大の字」のポーズでマットに沈んだ。
試合時間はわずか55秒。解説を務めたRIZINフェザー級王者の鈴木千裕が「もう立てない…完璧だ!」と声をあげれば、ファンからも軽量級のスピーディーな展開に「すげえスピードだった」「(京都の)大文字焼きだw」といった驚き反応が相次いだ。
スロー映像では、壮絶な打ち合いのなか最初の左、振り抜いた右と的確にアゴ先を狙いすましたような見事な打ち抜き。「ゆっくりダウン」「ゆっくり倒れた」の指摘どおり、通常よりも効いてからわずかに間のあるジワ倒れ。ヌラペットはスーパースローのように首が殴られた方向にぐにゃりと曲がり、ジワリと崩れ落ちた。