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【映像】閑散とした金沢の「ひがし茶屋街」
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 能登半島地震の被災者や被災地への復旧・復興に向けた対策が急がれる中、石川県にあるもう一つ問題が、観光客の激減。金沢市では震度5強を記録したものの大きな被害はなく、県内の観光地も多くは通常営業している。しかし、観光客のキャンセルが相次ぎ、大きな打撃を受けているのだ。

【映像】閑散とした金沢の「ひがし茶屋街」

 馳浩知事は10日、「奥能登は大変厳しい状況だが、金沢や加賀の観光地の交流を絶やすことは考えていない。こうした経済活動を通じても石川県を、能登をお支えいただきたい」と呼びかけたが、SNSなどでは被災地へ行くことに対し「不謹慎」「負担になるだけ」という批判もある。

 今個人にできる支援とは何なのか。『ABEMA Prime』で当事者とともに議論した。

■通常営業も「『来て』とは言えない」葛藤する当事者 自粛・不謹慎警察の存在も

 金沢・ひがし茶屋街の能登牛料理「登るや」店主の道淵哲志さんは、震災の影響で客足が5分の1に激減したという。「お正月の予約はほぼキャンセルで、1月の予約がそれぐらい落ち込んでいる。1月10日現在で震度5以上の余震が16回程度起きていて、こちらに住んでいる僕らも夜中に逃げ出したりしないといけないような状況だ。現時点では『来て』とは到底言えない」と話す。

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 ひがし茶屋街は閑散とし、「かしこまって、僭越ながらみたいな感じで来てくださっている」状態。「余震が収まらないことには、また地震があった時に“君ら、来て来て言ってたやんか”となると思うと、何も言えない部分はある」との思いを明かす。

 観光客へ向けては「春に向けて準備をしているので、整ったら石川復興のため金沢に来てほしい」と呼びかけるが、経営面の不安もある。「コロナの時もそうだったが、やはり県や自治体が観光を促すような取り組みをしてくれないと、特に小さい飲食店は大打撃だ。3カ月ぐらいしか耐えられないと思う。公庫の災害借入などを使わないと厳しくなってくる」とした。

 そうした中で、被害が少なくお店も通常営業しているような地域であっても、とにかく訪れることを控えるべきだといった、自粛・不謹慎警察の声もある。

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 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「一般市民の“何かしたい”というエネルギーが空回りして、悪意がないのに迷惑をかけているパターンだと思う。経済が回ることでお金が復興に使えるわけで、そこを制限することで、旅行業だけではなく生活自体がままならなくなってしまうほうがまずい」と指摘した。

■被災地外からできる支援は? 寄付には時間差も

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 個人ができる支援について、株式会社風とつばさ代表の水谷衣里氏は「金沢や能登に行かなくてもできる選択肢をもう少し考えられるようになればいいと思う」と話す。

「寄付と同時に、応援消費という考え方がある。能登特産品をオンラインで販売している『能登スタイルストア』というものが、2007年の能登半島地震を機に作られた。しばらく注文を受けていなかったが、11日の夜から受注を再スタートしている。こういうものを使って、まず消費の形で応援するのが1つ。また、様々な所にあるアンテナショップで買うことも、最初にできる方法だ」

 ひろゆき氏は「例えば、今は宿に泊まれないけど、応援のために宿泊券だけを先に売るといったことはできないのか」と提案。

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 水谷氏は「例えば、食べチョクさんが被災地応援の形で商品券のようなものを発行しているし、コロナの時にもそういう事例はあった。クラウドファンディングを通じても募集がある」、道淵氏も「僕自身、能登牛の生産者さん向けの支援金をSNSで集め始めた。生産者なんかはスピーディーな支援が必要で、そこは個人で打開していきたいと思っている。そういう発信も確認しながら寄付等をしていただけれなと思う」と呼びかけた。

 今回、ふるさと納税による被災地支援の動きも目立っている。「“返礼品なし”という選択肢もあるし、返礼品付きでも今後は被災地の自治体を選択していくというやり方もある。ただ、ふるさと納税の寄付は本来自分が住んでいる地域に払う税金だということは、納得した上で行う必要がある」とする。

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 また、“寄付できた=被災者にすぐ届く”わけではないという注意点も。「オンラインの寄付募集の立ち上がりと、SNSでの拡散が今回すごく早かったが、寄付金が被災者に届くには時間差がある。自治体や日本赤十字に対する義援金は、都道府県の配分委員会に集約され、市町村に渡されてから被災者のほうにいくというルートをたどる。いくらぐらい集まるのか、被災された方が何人いるのかを確認する必要があるため、ある程度時間がかかる」と説明した。

 寄付先の選定についても、「使い切れなかったお金の使い方が明記されているかや、SNSで活動の発信をしているかどうかも、1つのバロメーターになると思う。自分たちの活動を知ってほしいと思えば、SNSなり何なりで発信するだろう。そういうものを確認して、自分が寄付したいと思うところを選ぶのが大切だ」とした。(『ABEMA Prime』より)

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