アーティスト・アイドル部門の1位は「なにわ男子」 若手アイドルが上位を独占

 TOP10のほとんどがSMILE-UP(旧ジャニーズ事務所)所属の男性アイドルグループで独占した。「Lil かんさい」「Aぇ!group」といったメジャーデビュー前のグループへの回答も目立つ。その他では、TikTokで多数の楽曲が流行した「iLiFE!」、大注目のオーディション番組にてデビューメンバーが決定した「ME:I」がTOP10入りを果たした。

 1位はSMILE-UP.所属の「なにわ男子」。11月にデビュー2周年を迎えた関西出身のグループで、王子様のような「王道アイドル」のパフォーマンスで多くの女性ファンを虜にしているようだ。2023年7月27日~10月29日にかけては、ライブツアー『なにわ男子 LIVE TOUR 2023 'POPMALL'』を開催し、デビュー以降初めての声出し解禁で会場を盛り上げた。ツアーの映像化も決定し、今後の活動にも注目が集まっている。

 2位はimaginate所属の女性アイドルグループ「iLiFE!」。2022年にデビューし、2022年にTikTokで楽曲が流行したことから大ブレイクしたグループだ。2023年9月25日には4人の新メンバーが加入し、新たに9人体制での活動がスタートしている。2024年2月・3月には初の全国ツアー『JAPAN LiFE!』の開催が決定しており、今後の活動にも期待を寄せてられている。

 3位はSMILE-UP.所属の「Snow Man」がランクイン。2020年にデビューしたダンスやアクロバットを得意とするグループだ。各メンバーが舞台やバラエティなどで個々の個性を活かして活躍しており、グループとしてもその人気を益々伸ばしている。2023年は初のドームツアー『Snow Man 1st DOME tour i DO ME』を成功させ、アーティストとしても活動の幅を広げている。

漫画・アニメ・ゲーム部門の1位は「薬屋のひとりごと」 アニメ放送でランキング1位に

 TOP10には2023年秋にTVアニメ化された人気漫画作品が多くランクインした。また、「ブルーロック」「【推しの子】」など、2022年~2023年上半期にTVアニメが放送された、爆発的ヒット作の回答も目立った。ゲームでは女性から圧倒的な支持を集める「あんさんぶるスターズ!!」がランクインしており、2次元アイドルコンテンツの人気もうかがえる。

 1位に輝いたのは、2023年の秋から始まったTVアニメが話題となった「薬屋のひとりごと」。原作は2011年から「小説家になろう」で掲載されていたライトノベルで、2017年からはなんと2社でコミカライズ版が連載され、累計部数は2700万部を突破している。官女が王宮内で巻き起こる事件を薬学の知識で解決していくというおもしろいストーリーからは目が離せない。

 同じく2023年の秋からTVアニメが放送された「葬送のフリーレン」が2位にランクイン。魔王を倒した勇者一行のその後を描いたファンタジー作品だ。2021年に「第14回マンガ大賞」、「第25回手塚治虫文化賞新生賞」を受賞し、2023年も3つの賞で1位を獲得している。他にも、Youtubeにてミニアニメが配信されており、こちらも注目を集めている。

 3位は少年ジャンプで連載中の「呪術廻戦」だった。2020年にTVアニメが放送されたことから爆発的なヒット作となり、2023年の秋からアニメの第2期が始まったことで再度注目を集めている。2023年12月~2024年1月にかけては舞台化も行われており、今後さらに人気が拡大していくと予想されている。

配信者・VTuber部門の1位は「にじさんじ」 個人では「宝鐘マリン」が1位に

 グループ部門では数々の人気配信者を抱えるVTuberグループ「にじさんじ」が1位になった。歌い手グループの中では2位の「すとぷり」に続き、人気急上昇中のグループに多くの回答が集まっている。女性VTuberが多く所属する大手VTuberグループ「ホロライブ」もランクインした。

 人気VTuberグループの「にじさんじ」が圧倒的な人気で1位にランクイン。全148名ものVTuberが所属しており、国内外に多くの視聴者を抱えている。「量産型」「地雷系」のユーザーからは、所属メンバーの中でも特に男性VTuberの名前が多く回答にあがった。2023年には新人ライバー18名がデビューしており、今後ますます大きな話題を生みそうだ。

 大人気歌い手グループ「すとぷり」が2位にランクイン。これまでもライブやメディア出演などインターネットを飛び出し幅広く活動をしていたが、2023年はグループ史上最大規模となる全国アリーナツアーを開催し、全44公演で35万人を動員した。紅白歌合戦にも初出場し、国民的アーティストとしてさらに活躍が期待される。

 3位は人気急上昇中の歌い手グループ「Knight A - 騎士A -」。2023年1月に株式会社STPRに所属することを正式発表したことで大きな話題となった。5月には有明アリーナでの2DAYSライブを開催し、1stシングルの発売。公式ファンクラブも開設され、今後のアーティスト活動からも目が離せない。

 個人部門では、ホロライブ所属のVtuber「宝鐘マリン」がTOPに。2、3位には「すとぷり」、4、5位には「にじさんじ」のタレントが続いた。

 1位はホロライブ所属の「宝鐘マリン」。男性タレントへの投票が多い中、圧倒的な投票数でTOPに輝いた自称17歳の女性バーチャルアイドルだ。2023年7月に投稿されたオリジナル楽曲「美少女無罪 パイレーツ」は再生回数3100万回を突破しており、TikTokの音源としても大流行した。テレビ番組「2023FNS歌謡祭」にVtuberとして初めて出演するなど、躍進を続けている。

 2位にはすとぷりの「莉犬」がランクイン。2023年7月に放映された劇場版アニメ「Re:STARS~未来へ繋ぐ2つのきらぼし~」では主人公の声優をつとめるなど、歌い手のほかにも活躍の場を広げている。自身のYoutubeチャンネルでもショートアニメを投稿しており、ファンからの人気も厚い。

 同じくすとぷりの「さとみ」が3位にランクイン。2023年9月には1stフルアルバム「Never End」がリリースされ、オリコンデイリーアルバムランキングで1位を達成した。メインの活動は歌い手ですが、ゲームセンスを活かした実況動画の投稿も行い、見た人の心を掴んでいるようだ。

ジャンル別ではVTuber・配信者・歌い手が1位に

 回答全体のうち、「VTuber・配信者・歌い手」ジャンルをあげた割合が最も多く、全体の3割以上を占めた。「にじさんじ」「ホロライブ」をはじめとするVTuberグループや、「すとぷり」をはじめとする歌い手グループが「量産型」「地雷系」といったZ世代女子から圧倒的な支持を得ているようだ。

 元々「量産型」や「地雷系」は若いアイドルファンに多いイメージだったが、アイドルファンの間で大人っぽい清楚系のファッションやフレンチガーリーが流行したことで、ファン層のカルチャートレンドが変化したと考えられる。2023年1月に同社で行った「2023年トレンド予想ランキング」ではSMILE-UP.から女性グループまでの「アーティスト・アイドル」が33%だったのに対して今回の調査結果が26%と減少したことからも、現在では2次元や配信者のファンを中心に「量産型」「地雷系」というカルチャーが定着していることがうかがえる。