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【映像】開幕戦「圧勝」を振り返る羽生善治監督

 監督自ら敵軍を吹き飛ばした。日本全国を8つのブロックに分けた将棋の団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ第1試合・チーム関東Aとチーム関西の対戦が1月20日に放送された。関東Aを率いる羽生善治監督(53)は、二番手で登場すると驚異の4連投4連勝を飾り、谷川浩司十七世名人(61)のチーム関西Aを5勝1敗で撃破。圧倒的な力で自軍をけん引し、Aリーグ1位決定戦への進出を決めた。

【映像】開幕戦「圧勝」を振り返る羽生善治監督

 開幕戦を自軍の勝利で飾った。チーム関東Aは、先発棋士として一番手に埼玉県出身の佐々木勇気八段(29)、二番手に羽生九段、三番手に千葉県出身の近藤誠也七段(27)を登録。対する関西Aは登録棋士全員がタイトル戦を経験した強豪揃いの中から、出口若武六段(28)、稲葉陽八段(35)、久保利明九段(48)の兵庫県勢3人に先発を任せた。

 関東Aの元気印でもある佐々木八段は、第1局で出口六段との角換わり戦で瞬発力のある指し手を披露し、苦境から華麗に逆転。チームに大会初白星を持ち帰った。勢いそのままに第2局に向かったが、対するはABEMAトーナメントで優勝経験を持つ強敵・稲葉八段。角換わり戦でペースを握られると、そのまま押し切られる形で敗戦となった。

 第3局は二番手の羽生九段VS稲葉八段の対戦に。相掛かりの出だしから羽生九段が中盤で抜け出すと、卓越した受けの技術で先手の稲葉八段を圧倒。122手で勝利を飾った。

 羽生九段と言えばABEMAトーナメント2023での大躍進も記憶に新しく、予選・本戦無傷で勝率100%を叩き出し個人で「最高勝率賞」を獲得。好調は継続中で、続く第4局では過去にタイトル戦を複数回戦った久保九段、途中「棋士チェンジ」で登録された佐藤康光九段(54)を次々に撃破し、まさに“強すぎる”羽生九段の独壇場となった。

 第6局では、稲葉八段が「個人で4連勝されるわけにはいかない」と奮起。しかし、羽生九段が横歩取りの一局で▲3三歩の手筋から自分のペースに引き込むと、稲葉の猛追を振り切り勝利。自軍の三番手に登録していた近藤七段に出番を渡すことなくチームの初戦突破を決めた。

 4戦全勝を決めた羽生九段は、連戦の疲れも見せない笑顔で「負けの場面もありましたが、良い結果を出せて良かったです」とファンに勝利を報告。日本将棋連盟会長として、大会立案者として、チーム監督として、そしてプレーヤーとして。羽生九段が背負うものは多いが、そのすべてをパワーにして「結果」に昇華させてみせた。

 羽生監督を中心としてチーム関東Aの躍進はどこまで続くのか。次戦は予選Aリーグ1位通過を掛けて、北海道・東北VS中国・四国の勝利チームと対戦する。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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