日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ第1試合、関東A対関西Aが1月20日に放送された。新大会の記念すべき第1局は関東Aから佐々木勇気八段(29)、関西Aから出口若武六段(28)が登場。オープニングにふさわしい熱戦を繰り広げたが、見守っていた関東Aの監督・羽生善治九段(53)が劇的に変わる形勢に「おお~!」「大丈夫ですか!?」と大興奮し、ファンからも注目されることになった。
1チーム5人ずつで構成され、先に5勝した方が勝利となる新たな団体戦。戦う側も応援する側も新鮮な気持ちで臨んだ開幕局だったが、熱戦にいきなりレジェンド棋士も興奮した。出口六段の先手で始まると、多くの棋士が指しこなす角換わりで始まり、定跡形で進んだことから両者とも指し手が早く、持ち時間もみるみる増えて両者6分超えに。お互い想定内の戦いから徐々に7筋、8筋を中心に駒が激しくぶつかり始めると、じわりじわりと出口六段がペースを握り始めた。解説の村中秀史七段(42)も「これは先手が優勢でしょうね」と形勢を判断。しかし、チームに勢いを与えたいと強く意気込んでいた佐々木八段が踏ん張ると、ここから一気に将棋が動いた。
佐々木八段が狙っていたのは△4三角という一手。出口六段も想定外だったのか、応手に悩むと形勢の差も一気に詰まり、控室で見ていた羽生九段も「おー!おっ、おっ!得している気がする!」と興奮気味に。さらに進んで悩むが深くなった出口六段が対応に迷いが生じた手を指すと、再び羽生九段は「大丈夫ですか!?」と目を丸くした。将棋界に君臨するレジェンドが、次々と大きなリアクションを見せたことにファンも続々と反応。「わろてるw」「会長 大興奮w」「控室楽しそう」「羽生さん大興奮」といった声が、ABEMAのコメント欄を埋め尽くした。
結果、ここでのやり取りが勝負の行方を大きく左右し、勢いづいた佐々木八段が逆転勝利。終局後、村中七段も「中盤までは出口六段のペース」としつつ、佐々木八段が指した「△4三角がいい手でした」と高く評価していた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)