レジェンド棋士による圧巻の捌きを見せられては、ウキウキしない方が無理かもしれない。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ第1試合、関東A対関西Aが1月20日に放送された。この第4局、関東Aの監督でもある羽生善治九段(53)が関西A・久保利明九段(48)を相手に見事な指し回し。これに関東Aの佐々木勇気八段(29)が「強い!強い!」とウキウキしまくった。
羽生九段は佐々木八段が1勝1敗とした第3局から2番手として登場。稲葉陽八段(35)を下してチームにリードをもたらすと、続く第4局では振り飛車党の実力者・久保九段と対戦した。公式戦だけでも70局を超える対戦歴があり、お互いの手の内は知り尽くしているが、フィッシャールールでは初対戦。超早指し戦において、どちらが斬れ味のいい将棋を見せられるかに注目が集まっていた。
先手の羽生九段が居飛車、久保九段が四間飛車の対抗形で始まると、序盤は久保九段がイメージに近い形で指し進めたのに対し、羽生九段は中盤に入っても桂馬が狙われる忙しい展開に突入した。ところがこの日の羽生九段は斬れ味抜群。激しい駒のぶつかり合いの中、駒損こそしたものの、その他の駒の働きでは大きく上回る展開に持ち込み、解説していた村中秀史七段(42)も「美しい将棋の組み立て。きれいに捌けました」と絶賛すると、応援していた佐々木八段は「強い、強い!」とウッキウキ。同じく木村一基九段(50)も「これはまたすごいね。狙っていた作戦だもんな」と、想定していた展開にうまく持ち込んだ羽生九段の指し手に舌を巻いていた。
笑顔が止まらない佐々木八段の様子に、ファンからは「よろこび組w」「わくわく勇気」「かわいいな勇気は…」という反応が寄せられる中、羽生九段はそのままペースを譲らず91手で快勝。その後も連勝街道は続き、一気の4連勝でチームの勝利も呼び込んでいた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)