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【映像】「エース」認定された小山四段の表情

 注目の新人棋士が大役を果たした。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ1回戦・第2試合、北海道・東北VS中国・四国が1月27日に放送された。チーム北海道・東北の1勝3敗で迎えた第4局では、岩手県釜石市出身の小山怜央四段(30)がタイトル挑戦中のA級棋士・菅井竜也八段(31)に勝利。チームを鼓舞する金星に仲間も「エースですね!」と大絶賛していた。

【映像】「エース」認定された小山四段の表情

 小山四段は奨励会を経験せず棋士編入試験を受験、見事試験を突破し2023年4月1日付でプロ入りした異例の経歴を持つ新人棋士。フィッシャールールは未経験だったが、今回は岩手県代表として地域監督の屋敷伸之九段(52)から出場登録棋士に抜擢された。

 初は第1局の藤本渚四段(18)戦。2022年10月付で四段昇段した藤本四段とはプロ歴は半年の差ながら、歩んできた道は大きく異なる。それでも両者ともにチームの勝利と地域を背負って盤へと向かった。乱戦調の出だしとなった開幕戦は、終始落ち着いた指し回しを見せた小山四段が勝利。チームに幸先の良い勝利を持ち帰った。しかし、第2局にはチーム中国・四国の勝ち頭でもある菅井八段が登場。連投した小山四段に対し、振り飛車党のエースが実力差を見せつけるように圧倒され黒星を喫した。ここから菅井八段は3連投3連勝。一気に勝ち星を奪っていった。

 第5局では、再び小山四段VS菅井八段のカードに。連勝中の強敵ながら、同じ失敗は繰り返さないと丁寧に対応し、混戦となった終盤を抜け出した小山四段が勝利。菅井八段の連勝を止めるとともに、チームに勇気を与える2勝目を手にした。

 菅井八段と言えば振り飛車を武器に順位戦A級、竜王戦は1組で、現在王将戦七番勝負に挑戦中のトップ棋士だ。フィッシャールールとは言え、現在の将棋界をけん引するスタープレーヤーから白星を飾ったとあり、小山四段も「結果が幸いして嬉しいです。自信になりました」と顔をほころばせていた。

 この勝利にチームメイトも大歓喜。金星を挙げた小山四段に対し「良い内容でした」「よくあの波状攻撃をしのぎましたね」と労いの言葉を掛けるとともに「エースですね!」とチームの軸に“認定”。ファンからも「エース認定きたw」「グッジョブ」「メンバーお墨付きのエースレオ」「嬉しいね」「まじでエースだろw内容が良すぎる」と祝福の声が多数寄せられていた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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