飛びヒザを完璧に迎撃する芸術的な左フックKO。空中で脳が揺れた選手は、そのまま前方に滑り落ちるように崩れる派手な“スライディング”ダウン。「なんだあの倒れ方は!」とどよめきの声があがった。
1月28日に後楽園ホールで開催された「Krush.157」で河北“KONG”光生(K-1ジム蒲田チームアスラ)と川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス)が対戦。試合は3ラウンド中盤、河北が豪快な左フックでKO勝利を収めた。
K-1アマチュアで優勝経験のある中堅同士がプレリミナリーファイトで対戦。序盤に右のカーフやボディを軸にプレッシャーをかける河北に、川越も距離を潰してミドルやヒザで対抗する。後半、河北が一気に相手をロープ際に押し込んで左フックを当て1ラウンドを終える。
2ラウンドもボディショットやガード上からの打ち下ろしなど、河北の剛腕が目立つが、川越も足を止めてミドルやローで返す。展開的には、積極的なボディ攻撃が目立つ河北優勢は揺るがないところだ。
最終3ラウンドも河北の強烈なフックで幕を開ける。被弾数は多いが川越も全く効いた素振りを見せないなど、タフさが際立つ。タフな川越だが、ダメージの蓄積で徐々に勢いに陰りが。
するとラウンド中盤、勝負をかけ一歩下がり飛びヒザを狙った川越に対して、河北が完璧なタイミングで左のフックを打ち抜いた。踏み出した瞬間に強烈な一撃を被弾した川越は、スライディングするように崩れ落ちてダウン。頭をマットにつけ沈黙したあと気合で立ち上がるが、ファイティングポーズは取れず…試合終了のゴングが打ち鳴らされた。
川越が一発逆転を狙った飛びヒザを見事なフックで迎撃。河北が反射的に身体をずらしてかわし、左フックをガラ空きの顔面に放つ芸術的な一撃にファンからは「ナイスフック」「なんだあの倒れ方は!」驚きと称賛の声や、ミドルネームに関連して「KONG感がある」「打たれ強い選手をよく倒したな」といった声も寄せられた。
河北の戦績はこれで6勝3敗(5KO)と圧倒的なKO率。プレリミナリーから再びKrush本戦エントリーへの期待が高まる説得力のある豪快な勝利だった。