これぞチーム戦!仲間の指し手に一喜一憂する棋士たちの表情が話題となった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ1回戦・第2試合、北海道・東北VS中国・四国が1月27日に放送された。糸谷哲郎八段(35)対小山怜央四段(30)の対戦となった第6局では、糸谷八段のキレキレ手筋に仲間が歓喜。チーム戦だからこそ見られる棋士たちの様子に、ファンもつられて笑顔となっていた。
糸谷八段が仲間を興奮させたのは、チーム中国・四国の3勝2敗で迎えた第6局。チーム北海道・東北の小山四段との対局は、雁木の出だしから中住まいを選んだ糸谷八段がビシビシとハイペースで指し進めていた。先手の糸谷八段がペースを握ったものの、中盤戦は難解な進行に。優勢を切り開くための一手が求められていた。
中国・四国の作戦会議室では、
菅井竜也八段「あ、▲8五桂!でもそれはちょっと指せないかな…」
山崎隆之八段「でも(持ち時間が)3分あるから!」
菅井八段「いや、3分あっても糸谷さんは▲1一馬指しちゃうな…。そうか~」
藤本渚四段「でも立ち止まってるんで!」
山崎八段「8五桂、2二歩に気づけば!」
と、チーム全員が中継モニターに釘付けに。対局前に行った練習の際には糸谷八段が本調子ではなかったといい、菅井八段は心配そうな表情を浮かべていた。すると糸谷八段はしなるような手つきで▲8五桂!チーム中国・四国の作戦会議室からは「おお~う!!」とこの日一番の大歓声が上がっていた。
菅井八段「冴えてましたね!」
山崎八段「糸谷さんをナメすぎですよ~(笑)」
本番ではキレッキレ状態を取り戻していた糸谷八段の様子に、仲間も『練習は何だったんだ?』とばかりに驚きと喜びを隠せない様子だった。本局は糸谷八段が「公式戦用に温めていた作戦のひとつだった」と語った通り、秘策を駆使して快勝。チームの勝利に大きく貢献する結果となった。
控室だからこそ見せたチーム中国・四国のリラックスしたやり取りにファンも大爆笑。視聴者も「山ちゃん&菅井さん最高」「サラリーマンの呑み会w」「めっちゃ楽しそう」「お家観戦なのよw」「めっちゃ楽しそう」「親戚の集まりになってるw」と大盛り上がりの様子だった。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)