日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、深浦康市九段(51)率いるチーム九州が福岡県内で「地域会」を開いた。佐藤天彦九段(36)ら出場登録棋士の5名は、揃ってPR活動へ。トップ棋士がずらりと並び歩く様子は、まるで地球防衛軍?検察官?とファンの注目を集めていた。
チーム九州にエントリーした棋士はわずか10名ながら、結束力はどの地域にも引けを取らない。長崎県佐世保市出身の深浦監督は、福岡県福岡市出身で名人3期の佐藤九段、同じく福岡市出身の新進気鋭・古賀悠聖五段(23)、宮崎県宮崎市出身の都成竜馬七段(33)、そして長崎県対馬市出身で昨年2つのタイトル戦に出場した愛弟子の佐々木大地七段(28)を出場登録棋士に選出した。
5名が揃って2度目の地域会の舞台に選んだのは福岡市。日本三大八幡のひとつで開運勝利の神を祭る「筥崎宮」へ必勝祈願に向かった。トップ棋士が横並びで参道を進む姿は迫力満点。SNSで「地球防衛軍?」「完全に検察官ドラマのオープニング…」「めっちゃ強そう」「すごいメンバーだなあ」とファンをざわつかせていた。
さらに、九州最大級のアウトレットモール「マリノアシティ福岡」では宮崎県のアンテナショップ「KONNE」へ。都成七段は「宮崎県民はどの家にも常備されている」という調味料の「戸村本店の焼肉のたれ」や「マキシマム」を熱心に紹介した。九州出身ながらマキシマムを知らない佐々木七段、佐藤九段に対し、深浦監督は「これ知らないのは九州のモグリだよ」とピシャリ。九州のあふれる食の魅力は簡単に語れるものではない様子だった。
続いて深浦監督&古賀五段はKBCラジオの生放送番組「PAO~N」に出演。リスナーにチームの応援を要請すると、「日本一になったらまた出演してくださいね!」と熱い言葉を送られていた。二手に分かれて精力的に大会とチームをPR…と思いきや、佐藤九段、都成七段、古賀五段の3人はアウトレットモール内の観覧車でまったりと夜景を満喫。過去の恋バナにも花を咲かせていた。
シメはもちろん天神の屋台。博多ラーメンを味わうとともに充実の一日を総括した。チーム九州が初戦で激突するのは優勝候補の呼び声も高いチーム関東B。深浦監督は「大変な強敵だけど、そこに勝てれば波に乗れる」とメンバーを鼓舞した。掲げるスローガンは「九州に誇りとパワーを!」。厳しい戦いが予想されるが「(チーム九州も)個性豊かなメンバーが揃っているので、存分に力を発揮したいと思います」と必勝を誓い、気持ちを団結させていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)