“ビッグマック指数”をもとに日本経済における失敗を経済アナリストの森永康平氏が指摘した。
【映像】ビッグマック価格の推移(国際比較)
ビッグマック指数とは大まかな景気の実態がわかる指標で、イギリスの経済専門誌「エコノミスト」が毎年紹介。世界中で同じような材料や調理法で作られているであろうビッグマックの価格を基準にすることで、その国の物価水準などを比較しようというものだ。
森永氏は「ビッグマック指数を見ると、バブル崩壊後の日本経済の失敗が如実に分かります」として「すべてはバブル経済崩壊の後処理に失敗したことが原因」と話す。日本のビッグマックは480円と世界的には安いと言えるが、その価格よりも30年間給料が上がっていないことが、日本経済最大の失策だと指摘。ここ数年間の物価高は、コロナ禍やウクライナ紛争など外的要因によるものだとして、「モノの価格だけ上がって、賃金上昇は伴わないという悪いインフレ」と解説した。
しかし最近ではユニクロや第一生命など大手が初任給を高く設定したり、2023年の春闘でも賃上げ率3.60パーセントと1994年以来の3パーセント台の高い伸びを見せたことが話題となった。物価も上がり賃金も上昇ムード、良いインフレになりつつあるのか。
街の声を聞くと「(給料が安く)物が高くなっているからなかなか手が出せない物がある」「自分の給料が上がってるわけじゃないのに、物価が上がっちゃうと“節約しよう“となる」など、物価の上昇に賃金の上昇が追いついていないという意見が多くみられた。
森永氏は「世界の人たちから見ると、経済第3位の国ですから、なんでそんな経済大国でこんな日本のビッグマック安いの?というのが彼らから見ると不思議でしょうがない」とコメント。
日本経済については、ビッグマックの価格と賃金で見る必要があるとして、日本の時給1113円では480円のビッグマックを2.3個買うことができる。「時給で買えるビッグマックの数はほかの国とそんなに変わらないぐらい買えるので、日本の経済が弱いかというと、そんなことはない」と解説した。
しかし「問題なのは、日本はずっと経済成長していない」と指摘して「経済成長していないイコール賃金が上がらないんです。賃金が上がらないから、結果的にモノを安く売らないと誰も買ってくれない。いわゆるデフレという状態を日本だけが30年続けていて、その間にほかの国というのは物価も上がるけど賃金も上がるという正常な経済を30年間やっていたので、日本はついにドイツにも経済規模を抜かれてしまうというようなニュースがここにきて出てきている」と問題点について語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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