ナゾの儀式が勝利を呼び込んだ!?日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第2試合、関東B 対 九州が2月10日に放送された。両軍一進一退の攻防が続く中、第6局は佐々木大地七段(28)が前局に続く連投となった。やや劣勢で迎えた終盤では、師匠でチーム監督の深浦康市九段(52)がペットボトルを振る儀式を開始。つられるように仲間も一緒に全力シェイクを始めると、願いが通じたか(?)切り返すように勝利を飾った。
佐々木七段は、先発3番手として第5局から登場。連勝して波に乗るレジェンド・森内俊之九段(53)を食い止め、まずはチームに3勝目を持ち帰った。勝てば連投とあり、第6局も佐々木七段に勝負が託された。対するは修行時代から交流を持ち、お互いの手の内を知り尽くした仲の増田康宏七段(26)。横歩取りの出だしとなった一局は、この日初戦とスタミナ充分の増田七段のペースでの進行となった。
作戦会議室でモニターを注視していた深浦監督は、水入りのペットボトルを持つと「そろそろ振るか…」とフリフリ。過去に行われたABEMA師弟トーナメントでも見られた行動で、曰く「これを振ると大地が勝つんだよねー!」。そう言われては…と仲間もつられるようにペットボトルを手にした。
対局は増田七段が快調な攻めを見せ、終盤へと突入。チームにとっても大きな一局を任せたとあり、深浦監督は仲間とともに「頑張れ頑張れ!振るしかない…!」と全力シェイク。するとこのナゾの儀式から祈りが通じたか、佐々木七段が粘りに粘って逆転。ファンも「水振るのマジで効果あるのか?!」「水を振ったら勝つんですよ凄くないですか?」「水、すご!」「儀式効いてて草」「ふりふりパワー」と驚きを隠せない様子だった。
最終盤で切り返した佐々木七段が132手で勝利。佐々木七段は「チーム戦だからこそあやがあるかなと粘っていて、チャンスがあればという姿勢でした」。チームのために粘った佐々木七段と、戦う仲間のために勝利を祈った作戦会議室がひとつになって掴んだ大きな1勝だった。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)