生物兵器に転用できる機械を不正輸出したとして外為法違反で逮捕、起訴され、のちに社長らの起訴が取り消された「大川原化工機(おおかわらかこうき)」の冤罪事件が世間を震撼させている。
【映像】“生物兵器に転用可能”とされた「噴霧乾燥機」
 
 警視庁公安部に逮捕された大川原化工機の社長ら3人の勾留は11ヶ月にも及んだ。元顧問は勾留中に胃がんが発覚したが、適切な治療が受けられず、自身の潔白が証明される前に亡くなってしまった。
 
 違法捜査で逮捕、起訴されたとして、社長らが国と都を相手に損害賠償請求をした裁判では、捜査員が「捏造ですね」と証言するなど異例な展開に。2023年12月、裁判所は約1億6千万円の賠償を国と都に命じたが、国と都は判決を不服として控訴、社長らも控訴した。
 
 法廷で捜査員が異例の証言をした“冤罪”事件、その背景に一体何があったのか。改めて事件をおさらいする。