コオロギなどの昆虫食は、食肉の供給が人口増加の需要に追いつかなくなる「タンパク質クライシス」を解決する手段として、SDGsの観点から注目されている。
 
【映像】一見おいしそう?コオロギアイスもなか
 
 2013年には国連食糧農業機関が、昆虫食は環境負荷と栄養価の面から、食糧問題への解決策だとお墨付きを与えた。しかし見た目などに抵抗があるとの声は絶えない。
     
 アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかさんは、X(旧Twitter)で「私はDNAレベルで虫は無理。美味しいと言われたって無理なものは無理なのです。食べさせられた子ども達が可哀想。トラウマになってる子いるはず」などと投稿した。発言の真意について、猪狩さんは、「食べてる人、作ってる人を否定したわけじゃなくて、そこは勘違いしてほしくない」と語る。自身が食べるなら、コオロギの佃煮は「無理」、粉末入りのクッキーは「言われなければいけるかな。聞いちゃうとイメージが先行してしまう」。一方で、コオロギパウダーを食べた豚のトンカツであれば、「いけるかもしれない」と語った。
     
 食用昆虫科学研究会の佐伯真二郎理事長は、昆虫食により「温室効果ガスが減るからSDGs」と言われる風潮に一石を投じる。コオロギ=SDGsという「押しつけ」が、さらなる嫌悪感を生んでいるのではないかと指摘し、「苦手な方は食べないで」と呼びかける。
 
「地域の特産品として愛されることが大事。好きな人が食べて、新しい選択肢を開発しているなら面白い」(食用昆虫科学研究会・佐伯真二郎理事長)
 
 昆虫食について、タレントのIMALUは「虫がそもそも苦手で、見ただけでゾワっとする」として、食べるハードルは高いと語る。経済アナリストの森永康平氏は、需要と供給の問題だとして、フードロスが問題視されるなか、「別にコオロギを食べなくても、捨てているごはん再利用すればいい」という見方を示す。加えて「なんでコオロギなの。他でもよくない?」という疑問もあるとも指摘する。
     
 さらに、放送作家の相川真紀氏は、「ミドリムシ」と対比させながら、コオロギが受け入れられなかった背景を考察する。ミドリムシは美容を売りにして、「ユーグレナ」と呼ぶことでショックを和らげるネーミング効果があった。胎盤を「プラセンタ」、カタツムリクリームを「エスカルゴリッチクリーム」と呼ぶのも、同様の意味合いを持っているのではないかと分析した。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)