【写真・画像】 1枚目
【映像】久保九段の快進撃に仲間も「勉強させてもらっています!」

 振り飛車の使い手にして、穴熊の名手。捌きも粘りもすごいはずだ。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ2位決定1回戦、北海道・東北 対 関西Aが2月17日に放送された。フルセットの末、北海道・東北が勝利したが、第1局から第4局まで圧巻の4連勝を果たしたのは関西Aの久保利明九段(48)だ。勝利した4局のうち3局で堅い穴熊を用いたことで、チームメイトが「勉強させてもらっています!」と脱帽する様子があった。

【映像】久保九段の快進撃に仲間も「勉強させてもらっています!」

 「捌きのアーティスト」という異名を持つ久保九段は、棋王3期、王将4期の実績を持ち、長く振り飛車党の第一人者として活躍。現在も竜王戦では1組に在籍、順位戦ではB級2組で、捌きのよさに加え、粘り強さでも続々と台頭してくる若手たちとも渡り合っている。早指し戦は瞬発力に秀でた若手有利、という評価もある中で、この試合では久保九段の指し回しが光り、次々と難敵を倒していった。

 中でも絶品だったのが、穴熊だ。第1局、第3局、第4局と3局も穴熊を用い、一度囲えばしばらくは自を気にすることがない、というフィッシャールール向きの囲いを徹底すると、これが奏功。相手に先に攻め込まれる局面もあったが、じっくりと耐えて反撃の機会をうかがい、そこから鋭い切り返し。今大会に向けて練習を積んできたという成果が存分に発揮された。快進撃はチームの仲間も大絶賛。4連勝を果たした後の久保九段に、谷川浩司十七世名人(61)は「穴熊はこう指すんだよと勉強させてもらっています」と頭を下げていた。

 試合はその後、久保九段にさらに2度、対局が回ってきたがここでは連敗。計6局指すというタフな一日になったが、プロの将棋界では少数派である振り飛車党の実力者が、穴熊とともにまだまだ健在、ということを強く印象づけていた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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