2月23日、プロレスリング・ノアが『STAR NAVIGATION 2024』東京・後楽園ホール大会を開催。3・2名古屋国際会議場で、注目のシングル初対決を行うジェイク・リーと藤田和之が、それぞれジェイクがLJ・クリアリー、藤田が丸藤正道とコンビを組み、タッグ前哨戦をおこなった。
3.31後楽園大会でイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の持つ“NOAHの至宝”GHCヘビー級王座への挑戦がすでに決定しているジェイク・リー。王者不在の今シリーズ、“ウルトラヘビー級”の闘いを見せるべく、あえて超強豪である“野獣”藤田和之にターゲットを定めた。
2.4仙台大会で両者のタッグ初対決が実現し、今回は2度目の遭遇。前回以上にお互いに意識し、意地と意地がぶつかる闘いとなった。
いつものように赤まむしドリンク片手にリングに上がった藤田に対し、ジェイクはそれを自分にわたすよう要求。いつもなら無理矢理にでも相手に飲ませる藤田だが、この日はわたさず、自分で口に含むとジェイクの足元に噴射し挑発。これが事実上の宣戦布告となった。
試合は、この二人ならではの相手になかなか踏み込ませない緊張感ある攻防でスタート。中盤、ジェイクが足4の字固めで藤田を捕獲すれば、反撃に出た藤田は、ジェイクの必殺技FBS(串刺し式ビッグブーツ)に行く際の指差しポーズを中指を立てながら真似ての串刺しラリアットを決める。
そしてエルボー合戦から、藤田が投げっぱなしジャーマンを決めると、ジェイクはすぐに立ち上がりレッグラリアット。このジャーマンとレッグラリアットのラリーを3回も繰り返し、両者ダメージを負いながらも意地を張り合った。
最後は丸藤がLJに狙いを絞り、コーナー最上段からの不知火・改を決めてカウント3。藤田&丸藤組の勝利となったが、ジェイクと藤田は試合そっちのけで睨み合いを続け、来る3.2名古屋大会でのシングル初対決へ向け、さらに気持ちを高めあう一戦となった。
セミファイナルでは、ジェイク・リーと同じGLGに所属する現GHCタッグ王者コンビが、王者ジャック・モリス、挑戦者アンソニー・グリーンに分かれてのGHCナショナル選手権試合。一進一退の好勝負は、王者モリスが得意のタイガードライバーを決めて防衛に成功。最後はしっかりとハグを交わし、闘うことでタッグ王者としての絆を再確認した形だ。
メインイベントは同じくジャイク・リー率いるGLGのYO-HEY &タダスケのGHCタッグ王座2度目の防衛戦。最強の挑戦者と言ってもいいHAYATA &Eitaを迎えうち、タダスケがグッドルッキング・パイルドライバーを2発決めてEitaにピンフォール勝ちし、防衛に成功した。
試合後、マイクを握ったタダスケはGLGでNOAHのベルトを総なめするために、GHCジュニアシングルのベルト奪取を宣言。すると王者ダガが登場し、GHCジュニアタッグ王座に挑戦させることを条件にタダスケの要求を受諾。大会後、3.2名古屋大会で、王者ダガvs挑戦者タダスケのGHCジュニアヘビー級タイトル戦が正式決定した。
そして後楽園大会の最後は、タダスケがかねてからの希望通り、やしきたかじんの『東京』をリング上で熱唱。歌唱を熱望していたわりには、どこか緊張気味で観客をハラハラさせる歌い出しだったが、徐々にペースをにぎるスロースターターぶりを発揮して歌いきったタダスケ。最後は山口百恵ばりにマイクをそっとステージ(マット)に置いて、リングを後にした。
文/堀江ガンツ
写真/プロレスリング・ノア