【WRC】第2戦 ラリー・スウェーデン(2月15日〜18日)
今季のWRC(世界ラリー選手権)第2戦で、元王者のドライバー2人がクラッシュする波乱のなか、フォード(Mスポーツ・フォードWRT)のアドリアン・フルモーが、アクシデントを回避する華麗なる神業を見せた。
この日最長となるSS(スペシャル・ステージ)4『フロダ』がスタートすると、圧雪と凍結で非常に滑りやすい状態になった路面を、各ドライバーが駆け抜けていく。しかし、ヒョンデ(ヒョンデ・シェル・モービスWRT)のオィット・タナックは派手なクラッシュを演じ、コースの中央付近で立ち往生してしまった。
タナックの後に出走したフルモーだったが、ゆるい左コーナーを立ち上がったところのストレートで、コース上のマシンを発見! 見る見るタナックのヒョンデi20 Nラリー1に近づいていくと、その左側のスノーバンク(雪の壁)との間をスレスレで抜けていった。
常人なら縮み上がってしまいそうなシチュエーションだが、さすが世界トップクラスのラリードライバー。ステアリングを切り過ぎて挙動を乱すこともなく、また、急ブレーキでマシンを止めることもなく、寸前での判断で見事に回避している。さらにその後も、華麗なドリフトをしながら、雪の中のステージを駆け抜けていった。
フルモーはこのSS4で3位のタイムをマーク。さらに、この日の最終ステージとなるSS8を終えた時点で、総合4位につける大健闘の走りを見せ、最終的に3位表彰台を獲得した。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)