先日、国会で電車内での携帯電話の通話を認めるべきではないかとの議論が交わされた。
【映像】電車内の「通話」に腹が立つワケ
日本維新の会・藤巻健太議員が「なぜ電車の中で携帯電話で通話することはマナー違反とされているのか。小声での短時間の通話だったらいいのでは」と問いかけ、それに対し斉藤鉄夫国土交通大臣が「携帯電話の会話者の一方だけの声が聞こえてくるのは非常に気になる」と回答。携帯での通話を迷惑だと思う利用者もいるとして、通話しないことが適切だと述べた。
そもそも、なぜ電車内での他人同士の会話にはさほど気にならないのに、スマホでの声はイラッとしてしまうのか。心理学が専門の明星大学・藤井靖教授によると「人が携帯で話している時の声を聞く時というのは、誰か2人で話しているときに比べて、聞いている人の脳が乗っ取られやすくなるから」と説明。この現象を心理学では「ハーファログ現象」と呼び、電話の一方の声しか聞こえてこないために、聞いている人の認知機能が働き、「どういう会話なのか?」を補完しようとする働きが生じるという。これにより「脳が乗っ取られたような状態になり、クイズの答えが分からない状態やパズルが解けないというような不快感と近い状態になる」と解説した。
さらに、藤井教授は電車という空間について「“儀礼的無関心”という言葉がある。全然知らない人がいっぱい乗っているが、社会の一部みたいな場所で、相手に対して注意を払いながらも無関心を装わなきゃいけない場所」だと分析する。また「電話している人が“儀礼的無関心”を持っていると見なされにくくて、不快感を抱かれやすい。『電話が来ちゃったらどうしよう』という感じで周りをちょっと見つつ申し訳なさそうに出る方が、パッと出るより周りの人の不快感は減る」と助言した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)